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【ライティング解体新書】#1-誰でも書けるはずの“文章”のプロとは

執筆者:ウメザワマサユキ
株式会社STSデジタル所属のライター。ファッション誌/映画メディアなどのフリーライターを経て入社。主な担当ジャンルはビジネス(採用)・芸能・ホビー・文芸など。

■“文章のプロ”のテクニックとは?

ぶっちゃけ文章なんて誰でも書ける。

だって日本の人口1億2300万人超の、赤んぼうや未就学児や何か事情のある一部の人を除いたほとんどが、日本語を読んだり書いたりしながら生きていますから。

たしかに文章は書けるでしょう。しかし、現実にはライターをはじめとする文章を書くことで生計を立てるプロがいます。つまり、お金が生まれる文章と生まれない文章があるということです。
今読んでいるあなたがライターであれば、多かれ少なかれ自分の書く文章が素人の書いたものとは違うんだと自負しているでしょうし、あなたが文章書ける人(がいる会社)を探しているのであれば、それは少なからず自分(たち)が書くよりもプロに頼めば“いい文章”になるはずだと思っているからであるはずです。

ならば、その“プロ”たちは何故にプロなのか。

プロのライターである僕、ウメザワが全3回(予定)に渡り、ライティングのテクニカルな部分を独断と偏見で書いていこうと思います。
あなたがライターであればこれからの執筆人生の多少の参考に、もしご依頼を考えているようであれば多少の安心材料に、してもらえたらと思います。

ちなみに、今、独断と偏見でと思いっきり予防線を引いたのは、もちろんもっと高名なライターに何かの間違いでこの記事が見つかり、痛烈な後ろ指を刺されることを避けるためでもあるのですが、「テクニックなんてライターがいればその数だけあるはず」というのが持論だからです。
やり方は色々あります。そこに正誤はなく、ただそのライター個人の特徴や強みにハマるかどうかでしかないのです。

というわけで、これから紹介していくのはあくまで一例、数ある方法論のひとつだと考えておいてください。

■前提:自分が書こうとしているものへの理解

ライティングのテクニックという本題に入る前に、ふたつ断らせてもらおうと思います。
と言いますのも、原稿を書く前提として、「自分が今何を書こうとしているのか」を知っておくことは必要不可欠だからです。

▷「ライティング」は大雑把な括りである

よく考えるまでもなく、この世界のいたるところに文章ないしは文字があります。もはやほとんどのクリエイティブやメッセージの根底にはライティングの技術が多かれ少なかれ活かされていると言っていいでしょう。
そして、もちろんそれらの多くは「プロのライター」の仕事によって生み出されています。

つまりひとくちに「プロのライター」と言ってもライティングの種類は非常に膨大です。

  • コピーライティング
  • インタビューライティング
  • ブックライティング
  • コラムライティング
  • SEOライティング
  • 小説・シナリオライティング

ぱっと思いつくものを挙げてみても、この通り。
もちろん、書くものが違えば書く時のポイントも異なります。これはつまり、めちゃめちゃ面白い4000字のコラムを書けるライターが、10万字の本を書けるとは限らないということ(逆もしかり)。
いわば「ライティング」というのは、「スポーツ」みたいな大雑把な括りでしかありません。プロ野球選手がJリーガーと同じようにサッカーができるかと言われれば、もちろんそんなことはないだろう……と想像してもらえると分かりやすいでしょうか。

ありがたいことに、僕はこれまで幅広い案件に取り組ませてもらったことがあるので、どれに対してもある程度のテクニカルな話ができはするのですが、ここでは、特に引き合いの多い「インタビューライティング」について話していきます。

▷インタビューライティングの種類

インタビューライティングはその名の通り、「インタビュー(取材)」をして人から得た知見やメッセージを「ライティング」によって記事コンテンツにするライティングの一分野のこと。

最もポピュラーな〈対話形式〉のインタビュー記事の例
「抽出のとき、決してマスターに話しかけてはいけない」…元コーヒー嫌いによるカフェ巡りの極意とコーヒー道の奥深さ

話を聞いて書く。
単純に言えばただそれだけのことですが、ここでもまた「書く」ときの種類が膨大にあります。
書く人間としては必須の認識ですが、そうではない人からすると退屈な話なので、読み飛ばして次のトピックまでスクロールしてもらって構いません。

※ちなみに、これから紹介していく記事の形式は、社内でそう呼んでいるだけなので一般的な認識とはズレがある可能性があります。

まず、〈対話形式〉
すでに上の切り抜きで示している通り、インタビュアー(僕)と取材対象者が交互に話している形式のことで、「インタビュー記事」と言ったとき最もイメージされるかたちがこれでしょう。

大きな特徴としては、対話という性質上、どうしても口語寄りの文章になるため、読みやすく柔らかな印象の仕上がりが期待できます。「え、○○ですか」や「○○でしたね」など、話し手の口調や言葉選びが反映された記事であれば、その人柄やキャラクターをより読者に伝えることが可能です。

この〈対話形式〉と並んでよくあるのが、新聞などの報道記事に見られるような〈ルポ形式〉
いわゆる地の文が本文の主体となり、適宜取材対象者の言葉が挿入されていくような形式です。

〈ルポ形式〉のインタビュー記事の例
観光客が激減 金沢に戻らない“活気” 「実害がないのに助けを求めていいの?」「自分たちは被災者なのか」ゆれる割烹店主の思い|まいどなニュース

これは、交互に話すという紙面上の制約や、実際のインタビュー時の会話の流れなどに関係なく書くことができます。そのため、書き手として構成力や筆致が試されるタイプの記事だと思います。ただし、ライターの恣意性で発言の意味や意図を捻じ曲げることもより簡単なため、取り扱いには細心の注意を払う必要があると言えます。

また、取材対象者の人柄やメッセージを直接的に伝えるというよりも、ライターの目(感性)を間に挟むことにより、客観性が担保された事実を的確に伝えることができる形式でもあります。

多くのインタビュー記事は〈対話形式〉と〈ルポ形式〉のどちらかに収まりますが、世の中には表面的にはインタビューのかたちを取っていないように見えながらも、実はインタビューに基づいて作られている記事や文章が多くあります。
たとえば弊社で言うところの〈コラム形式〉〈シナリオ形式〉です。

〈コラム形式〉は、分かりやすいところで言えば、企業のコーポレートサイトにある「社長メッセージ」のような短い文章でよく活用されます。
プロのライターの構成力や筆致を借りることで、書く手間や時間を節約できるというメリットはもちろんありますが、より的確に伝わるメッセージ性の強い文章にブラッシュアップすることができます。

〈シナリオ形式〉は、ざっくり言えば小説です。実際、書店に並んでいる文芸作品のいくつかは、取材によって書かれています。たとえば2023年冬に直木賞を受賞した『地図と拳』の著者である小川哲さんは執筆にあたりかなり綿密な取材と調査をすることで有名です。
もちろん弊社は文芸作品を出しているわけではなく、あくまでWebマーケティングの戦略のひとつとして〈シナリオ形式〉のコンテンツを提案・制作しています。
取材で得た事実に脚色を加えて「創作物」の皮を被せることにより、対象者のプライバシーなど情報をつまびらかにできない(したくない)場合でも質の高いコンテンツを作れますし、伝えたいメッセージを押し付けることなく読者に届け、共感を呼ぶ効果が期待できるのです。

以上のように、「インタビュー記事」と言っても、媒体やその目的に応じて多様なアウトプットの方法が存在します。

もしあなたがライターであれば、まず自分がどんな目的でどんな原稿を書こうとしているのか(あるいは書くべきなのか)を理解しておく必要があるのは当然です。こんなことは準備ですらありません。

依頼してもいいのかなとこの記事を覗いてくれている人は「へぇ」と思っておいてください。僕を始めとする弊社のライター陣は案件の企画段階から関わった経験も豊富なので、目的に応じて最適なアウトプットをご提案します。

■概説:インタビュー記事の書き方

ここまではテクニック以前の、個人的に大切だと考えているライターとしての意識の問題でした。
くどくどと長い前置きになってしまいましたが、何を書いているのか・何を書くべきなのかを理解せずに、いい記事が書けるわけはないだろ……という話です。

さて、何を書くべきかが見えてきたところで、実際の記事作成に入っていくわけですが、僕はインタビュー記事の書き方を、以下の3つのプロセスに大きく分けて考えています。

  • インタビュー
  • 文字起こし
  • 原稿作成

今回は当初想定していた文字数などの関係でそれぞれの概説をちょろっと書いておくに留めますが、興味があればそれぞれのリンクから、じきに更新される(はずの)続きもご覧ください。

▷インタビュー

インタビュー記事なので、当然インタビューがなければ何も始まりません。また、基本的にはインタビューで伺ったことしか書けないため、ここで失敗すれば全てが終わると言ってもいいくらい重要です。

インタビュー成功のコツは、先輩ライターが的確に書いてくれているので下のリンクを参照してみてください。
(これを読めば、僕が改めて語ることはありません)

▼詳細はこちら▼

▷文字起こし

「Notta」などAIによる自動文字起こしツールが続々とできている昨今ですが、オールドタイプな僕は未だに人力で文字起こしをしています。

どうしてそんな手間のかかることをしているのか。
しっくりくるツールに出会ってないというのもそうなのですが、僕がいい記事を書くためには必要な手間だからというのが大きいです。

また、手を動かして文字起こしをするにあたって重要視しているのは「そのまま書き出すこと」。言葉の細部にこそ、人間性が宿るのです。

何を言っているんだこいつ、と思った方はぜひ下記リンクに飛んでみてください。
予想もしなかった、ライターの頭のなかが見えるはずです。

▼詳細はこちら▼

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▷原稿作成

執筆において、最も重要だと考えるのは「Webの文章なんて所詮は読まれない」という意識で書くこと。
Webを主戦場にするライターは特に、死に物狂いで読者を捕まえておく工夫をするべきだと僕は思います。自分が作っているものが、本と違ってたいていは無料で、指先1つで別ページに遷移できるインスタントなコンテンツであることは肝に銘じておく必要があるでしょう。

そのために心掛けるべきは「タイトル」と「本文構成」と「書き出し」。もはや僕は、ここにライターとしての命を掛けていると言っても過言ではありません。
ライターウメザワの魂は以下のリンクから垣間見えます。

▼詳細はこちら▼

(6月下旬予定)