ホームページ制作の工程において、デザインが完成した次に行われるのが開発フェーズです。この工程は、目に見えるデザインを、実際にブラウザ上で動く「生きたサイト」へと変換する非常に重要な役割を担っています。
本記事では、コーディングの基礎知識から、検索エンジンからの評価を左右する最新の指標まで、ビジネス担当者が押さえておくべき開発の要点を解説します。
1. コーディングの役割:HTML・CSS・JavaScriptの違い
開発の第一歩は、プログラミング言語を使ってデザインを組み立てるコーディングです。制作会社との会話でよく登場する3つの要素を、初心者の方にもわかりやすく「家づくり」に例えて説明します。
HTML(エイチティーエムエル)|構造を作る「骨組みと壁」
HTMLは、ウェブサイトの情報の構造を作るための言語です。
- 役割:ここにタイトルを入れる、ここに文章を置く、ここに画像を出す、といった「情報の意味」を定義します。
- ビジネス上の意義:HTMLが正しく書かれていないと、検索エンジンが内容を理解できず、SEOに悪影響を及ぼします。
CSS(シーエスエス)|見た目を整える「内装・外装」
CSSは、HTMLで作った骨組みに対して、色やサイズ、配置などのデザインを指定する言語です。
- 役割:文字の色を青にする、余白を広く取る、スマートフォンで見るときはボタンを大きくする、といった「見た目の装飾」を担当します。
- ビジネス上の意義:ブランドイメージを正確に再現し、ユーザーが読みやすいと感じる快適な閲覧環境を作ります。
JavaScript(ジャバスクリプト)|動きを加える「設備・家電」
JavaScriptは、サイトに動的な機能や演出を加える言語です。
- 役割:ボタンを押したときにメニューがスライドして出る、画像がふわっと切り替わる、といった「動きや計算」を担当します。
- ビジネス上の意義:ユーザーが直感的に操作できる心地よい体験(UX)を提供し、サイトの回遊率を高めます。
2. 運用の効率化を支えるCMS(コンテンツ管理システム)
現代のサイト制作では、専門知識がなくても更新ができるCMS(WordPressなど)の導入が一般的です。
- 共通パーツのシステム化:ヘッダーやフッター、カテゴリーごとのレイアウトをテンプレート化し、一貫性を保ちながら効率的にページを増やせるようにします。
- 運用性の確保:お知らせやブログ、製品情報など、頻繁に更新する箇所をシステム化することで、外注費を抑えながらスピード感のある情報発信を可能にします。
3. テクニカルSEOとCore Web Vitals(コアウェブバイタル)
開発工程は、Googleなどの検索エンジンからの評価にも直結します。特に近年、Googleが重視しているのが、ユーザーの快適さを数値化した「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」という指標です。
ページの表示速度と安定性の指標
テクニカルSEOのセクションでは、主に以下の3つの数値を最適化します。
- LCP(Largest Contentful Paint):読み込みスピードの指標です。ページ内の最も大きなコンテンツ(メイン画像など)がどれだけ早く表示されるかを測定します。
- INP(Interaction to Next Paint):応答性の指標です。ユーザーがボタンをクリックした際、どれだけスムーズに反応が返ってくるかを測定します。
- CLS(Cumulative Layout Shift):視覚的安定性の指標です。読み込みの途中で画像がズレて、意図しない場所をクリックしてしまうような現象が起きていないかを測定します。
これらを最適化することは、単なる技術的な追求ではなく、ユーザーのストレスを減らし、最終的な成約率(CVR)を高めるためのビジネス戦略と言えます。
テクニカルSEOにおけるコアウェブバイタルへの対応について詳しく知りたい方は、
コアウェブバイタル(CWV)完全攻略ガイドをご覧ください。

4. 品質を担保する検証作業(デバッグとテスト)
公開直前には、意図した通りに動くかを徹底的にテストします。
- ブラウザ・実機検証:iPhoneやAndroid、PCの各種ブラウザで表示が崩れていないか。
- フォーム動作確認:お問い合わせが確実に届くか。
- リンクチェック:全てのボタンやリンクが正しく機能しているか。
この検証を丁寧に行うことで、公開後のトラブルを未然に防ぎ、企業の信頼性を守ります。
5. まとめ
開発・コーディングとは、デザインに命を吹き込み、ビジネスの道具として機能させる工程です。
HTML/CSS/JSによる正確な実装、CMSによる運用の効率化、そしてCore Web Vitalsを意識したパフォーマンスの最適化。これらが組み合わさることで、初めて成果の出るホームページが完成します。制作会社とこれらの用語を使って対話できるようになると、より精度の高いサイト作りが可能になります。

