「毎日記事を更新しているのに、検索順位が上がらない……」 「以前は評価されていた記事が、コアアップデートで圏外に飛んでしまった」
もしそう感じているなら、原因はキーワードの数でも文字数でもなく、サイトのE-E-A-T(イーイーエーティー)不足にあるかもしれません。
AIライティングツールが普及し、誰でも簡単に「それっぽい記事」を作れるようになった今、Googleは検索アルゴリズムの評価基準を大きくシフトさせています。重視されるのは、誰が言っているか、そして実際に体験したかという、生身の人間による信頼性です。
この記事では、Googleの検索品質評価ガイドラインに基づき、あなたのサイトのE-E-A-Tを着実に高めるための具体的・技術的な10の施策を完全解説します。
第1章:なぜ今、SEO対策でE-E-A-Tが最重要なのか?
具体的な施策に入る前に、Googleが何を考えているかを知る必要があります。背景を理解することで、施策の精度が変わります。
1. 「経験(Experience)」の追加が意味するもの
かつては「E-A-T(専門性・権威性・信頼性)」でしたが、2022年末に経験(Experience)が加わり、現在の「E-E-A-T」となりました。 これは、ネットの情報をまとめただけの記事(こたつ記事)の評価を下げ、実際に製品を使った・現地に行った人の一次情報を優遇するというGoogleの強い意思表示です。
2. AIコンテンツへの対抗策
生成AIは、既存の知識をまとめるのは得意ですが、体験はできません。 AIによる大量生産記事がWebを埋め尽くす中で、Googleは人間ならではの独自体験を高品質なコンテンツの定義として重視し始めています。
3. YMYL領域の拡大
お金や健康に関わる「YMYL(Your Money Your Life)」領域では、以前からE-E-A-Tが必須でした。しかし現在は、家電のレビューや趣味のDIYであっても、嘘の情報でユーザーが損をする可能性があるジャンルであれば、高い信頼性が求められるようになっています。
第2章:【即実践】サイト内のE-E-A-Tを高める6つの内部施策
ここからは、サイト運営者がコントロールできる「内部施策」について解説します。これらは今日からすぐに着手できるものばかりです。
1. 著者プロフィールページの作成と充実(E・A)
サイドバーの簡易プロフィールだけでは不十分です。独立した「著者情報ページ(固定ページ)」を作成し、以下の情報を詳細に記載しましょう。
- 実名・顔写真: 責任の所在を明らかにします(イラストよりも実写が推奨されます)。
- 経歴・実績: そのジャンルに何年携わっているか、どんな成果を出したか。
- 保有資格: 専門性を客観的に証明する免許や認定証。
- SNSリンク: 個人としての活動実態を示すX(Twitter)やLinkedInなど。
2. 「一次情報」と「オリジナル画像」の徹底(E)
フリー素材(ストックフォト)は、サイトのオリジナリティを薄めます。 下手でも構わないので、自分で撮影した写真を使いましょう。Googleは画像データに含まれる情報からオリジナルの画像かどうかを判別していると言われています。 また、本文には「私はこう感じた」「実際にここが使いにくかった」という主観的な体験談を必ず盛り込みます。
3. 運営者情報の透明性(T)
誰が運営しているか分からないサイトをGoogleは信頼しません。以下の3点セットは必須です。
- 運営者情報: 会社概要、または個人のプロフィール(住所や連絡先)。
- プライバシーポリシー: 個人情報の取り扱いについて。
- お問い合わせフォーム: ユーザーが連絡を取れる手段が機能しているか。
4. 専門家による監修・引用(E・A)
特に医療、法律、金融などのジャンルで、自分に資格がない場合は専門家の監修を入れるのが最も効果的です。 監修が難しい場合でも、公的機関(省庁、大学、論文)のデータを引用し、出典元へ発リンクを行うことで、記事の正確性を担保しましょう。
5. 記事の更新頻度と情報の鮮度(T)
2020年のおすすめがそのまま放置されているサイトは信頼されません。 定期的に情報を見直し、リライト(更新)を行い、記事冒頭に最終更新日を表示させましょう。常に最新の情報を提供し続ける姿勢が評価されます。
6. サイトテーマの統一(トピッククラスター)(E)
ラーメンも釣りも投資も書く雑記ブログよりも、釣りに特化した専門サイトの方が、その分野でのE-E-A-Tは高まりやすくなります。 関連する記事群(トピッククラスター)を内部リンクで網の目のように繋ぎ、このジャンルならこのサイトを見れば全て分かるという状態を目指しましょう。
第3章:【技術編】Googleに著者を伝える「構造化データ」
プロフィールページを作ったら、それをGoogleのロボットに「これが著者です」と翻訳して伝える必要があります。これを構造化データ(Schema.org)で実装します。
著者情報の構造化データ(JSON-LD)
以下のコードを、著者プロフィールページのHTML内(headやbodyの中)に記述します。 特に重要なのがsameAsプロパティです。ここでSNSや他メディアのプロフィールURLを指定することで、Web上の「あなた」の情報をGoogleが紐付けて認識できるようになります(エンティティの確立)。
HTML
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Person",
"name": "山田 太郎",
"image": "https://example.com/images/taro-yamada.jpg",
"url": "https://example.com/author/taro-yamada",
"jobTitle": "SEOコンサルタント",
"worksFor": {
"@type": "Organization",
"name": "株式会社Example"
},
"sameAs": [
"https://twitter.com/taroyamada",
"https://www.linkedin.com/in/taroyamada",
"https://www.facebook.com/taroyamada"
]
}
</script>
※WordPressの場合、「SEO Simple Pack」や「SWELL」などのテーマ・プラグイン設定で、このコードを自動出力できる場合もあります。
第4章:【外部施策】第三者からの評判を獲得する方法(A・T)
自称・専門家ではなく、周りから「あの人は専門家だ」と認められることが権威性(Authoritativeness)の本質です。
1. 被リンク(Backlinks)の獲得
依然として強力な指標です。ただし、数だけの粗悪なリンクは逆効果です。 関連性の高いサイトや信頼性の高いドメイン(企業、大学、公的機関)からのリンク獲得を目指しましょう。寄稿や取材を受ける、プレスリリースを出すなどの活動が有効です。
2. サイテーション(言及)の拡大
リンクが貼られていなくても、Web上やSNSで「〇〇(サイト名)の記事が参考になった」「〇〇さん(著者名)の意見」と名前が出ること(サイテーション)も評価対象となります。 SNSでの発信活動を行い、指名検索(ブランド名での検索)が増えることもE-E-A-T向上に繋がります。
3. Googleビジネスプロフィール(MEO)
実店舗やオフィスがある場合は、Googleマップへの登録(Googleビジネスプロフィール)を行いましょう。 実在する拠点があり、実際の顧客からの口コミが存在することは、Webサイトの信頼性を強力に裏付けます。
第5章:やってはいけないE-E-A-TのNG行動
焦って評価を上げようとして、以下の行動をとるとペナルティを受けるリスクがあります。
- 経歴の詐称: 嘘の資格や実績を書くこと。特にYMYL領域では致命的です。
- 偽装アップデート: 記事の中身を一行も変えていないのに、更新日時だけを現在にする行為。
- 根拠のないNo.1表記: 客観的な調査データなしに「業界No.1」「満足度No.1」と書くことは、SEO以前に景品表示法違反のリスクがあります。
まとめ:誠実な運営こそが最強のSEO対策
E-E-A-Tを高める施策に、裏技や近道はありません。 それはサイトの体力のようなもので、日々の積み重ねによってのみ構築されます。
AI時代において、Googleは責任の所在が明確で、独自の体験に基づいた、信頼できる情報を求めています。
まずは今日、以下の2点から始めてみてください。
- 著者プロフィールページを作成し、フッター等からリンクを貼る。
- 既存の記事を読み返し、自分の体験談(一次情報)を1行でも追記する。
読者に対して嘘をつかず、顔の見える誠実な運営を行うこと。これこそが、アルゴリズムの変動に負けない最強のSEO対策となるはずです。
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