SEOで最も難しいのは「何を書くか」を決めるキーワード選定です。競合がひしめくキーワードツール上のデータだけで戦うのではなく、自社の中にある「現場の悩み」を言語化することで、競合が手を出せない「お宝キーワード」が見つかります。
本記事では、社内ヒアリングからデータ分析まで、明日から使える具体的な手順とテンプレートを公開します。
1. 【社内ヒアリング】営業・CSから「生の声」を回収する
ツールに現れないニーズは、顧客に最も近い「営業」や「カスタマーサポート(CS)」の頭の中にあります。彼らから情報を引き出すためのヒアリングシートを用意しましょう。
ヒアリングシート・テンプレート(そのまま使えます)
以下の5つの質問を、社内チャットや面談で投げかけてみてください。
| 質問項目 | 狙い(ここからキーワードを拾う) |
| Q1. 最近、商談で必ず聞かれることは? | 比較検討層が今、最も気にしている「比較軸」 |
| Q2. 導入後に「そんなこともできたの?」と言われた機能は? | 顧客が自覚していないが、実は価値を感じる「潜在ニーズ」 |
| Q3. 検討段階で顧客が「不安」に感じていることは? | 決断を阻害する要因(返品、保証、サポート体制など) |
| Q4. 競合他社と比較された際、何が決め手(or失注原因)になった? | 自社の強み・弱みを表すキーワード |
| Q5. お客様が自力で調べようとして「難しかった」と言っていたことは? | 解説記事(ノウハウ系)のニーズ |
2. 【サーチコンソール】2ページ目の「お宝キーワード」を発掘する
Googleサーチコンソール(GSC)は、顧客が自社サイトに「何を期待して辿り着いたか」を示す宝の山です。特に「インプレッション(表示回数)は多いが、順位が11位〜20位(2ページ目)」にあるキーワードを狙い撃ちします。
具体的な抽出手順
- GSCの「検索パフォーマンス」レポートを開く。
- 「平均掲載順位」にチェックを入れる。
- 「表示回数」の多い順に並び替える。
- このリストで10位以上の順位のクエリをピックアップ
- 「表示はされているが、まだ十分に応えられていない悩み」が浮き彫りになります。

ポイント:これらは「あと一歩」で1ページ目(上位)に食い込めるキーワードです。既存記事の追記や、新規の解説記事作成の最優先候補となります。
キーワード抽出手法の具体的な手法を知りたい方は以下の記事を参考にして下さい

3. 【分類マトリクス】抽出した言葉を「戦略的」に整理する

ヒアリングやGSCから抽出したキーワードを、本編でも解説した3つの「群(クラスター)」に分類し、スプレッドシート等で管理します。
| 分類 | キーワードの性格 | 記事のトーン |
| お悩み群 | 「〜の理由」「〜が痛い」 | 共感し、解決策を提示する(教育) |
| 比較検討群 | 「〜 選び方」「〜 比較」 | 中立的に判断基準を示す(判断) |
| 決断群 | 「[社名] 評判」「保証期間」 | 背中を押し、信頼を担保する(信頼) |
4. 【実践ワーク】キーワードを「記事のタイトル」へ変換する
キーワードが見つかったら、それを「誰の、どんな状況(コンテクスト)」に向けたものか定義します。
- キーワード: 「マットレス 寿命」
- 現場の声: 「朝起きたときに腰が痛いのは、買い替え時だからですか?」という質問が多い。
- タイトル案: 「朝の腰痛はサイン?マットレスの寿命を見極める3つのチェック項目と買い替え時期」
このように「現場の声」をセットにすることで、検索意図に深く刺さるタイトルが完成します。
まとめ:データと「体温」を掛け合わせる
キーワード選定は、ツールの数字(データ)に、現場の熱量(体温)を掛け合わせる作業です。このヒアリングシートを月に一度回すだけで、あなたのサイトは「どこにでもある一般論」を卒業し、「顧客に並走する専門サイト」へと進化します。

