「LPのデザイン確認は、いつもオフィスの大きなモニターで行っている」 「スマホ版は、PCのデザインをそのまま縮小して表示させている」
もし、このような作り方をしているなら、今すぐ見直す必要があります。 BtoC商材ではアクセスの8割以上、BtoB商材でも多くのユーザーがスマートフォンからLPを閲覧しています。PCを基準に作ったものをスマホサイズに縮小しただけの「レスポンシブ対応」では、文字が読めず、ボタンが押せず、せっかくのユーザーを離脱させてしまう原因になります。
本記事では、実際のBtoB企業のアクセス解析データ(GA4)を紐解きながら、なぜ「モバイルファースト」で設計すべきなのか、その根拠と具体的なデザインルールを解説します。
【実データ公開】BtoBでも「スマホ閲覧」を無視できない理由
「ウチはBtoB(法人向け)だから、みんなPCで見ているはずだ」と思い込んでいませんか? 以下の画像は、あるBtoB企業のLPにおける、実際のアクセス環境(画面解像度とOS)のデータです。

データから読み解く3つの真実
- PC(Windows)が最多だが、モバイルも確実に存在する 表の1位は「1920×1080(Windows)」で約11%を占めていますが、5位以下を見てください。「Android(720×1280)」「iOS(393×852)」などがランクインしています。BtoBであっても、移動中の営業担当者や、多忙な決裁者がスマホでチェックしていることが分かります。
- スマホの「横幅」はバラバラである 特に注目すべきは、iOS(iPhone)の解像度です。
- 6位:393 x 852
- 7位:390 x 844
- 8位:375 x 812
- 多様な端末に対応する「共通ルール」が必要 このデータが示すのは、「特定の機種」に合わせるデザインではなく、「どんな端末で見ても操作しやすい基準」を持つべきだということです。
指の動きに合わせた「ボタンサイズ」の正解
上記のデータにあったように、スマホの画面幅は375px〜400px程度と非常に狭い空間です。ここで最も重要なのが、コンバージョン(CV)への入り口となる「ボタンの大きさ」です。
タップ領域は「44px × 44px」以上にする

AppleやGoogleのガイドラインでは、タッチパネルで快適に操作できる最小サイズを「44px 〜 48px」と定義しています。
なぜこのサイズが必要なのでしょうか。 データにある「横幅375px」の端末で考えてみましょう。PCのデザインをそのまま縮小して表示した場合、PCでは押しやすかったボタンも、スマホでは数ミリ程度の大きさになってしまいます。 これでは、指でタップしようとしても隣のリンクを誤って押してしまったり、反応しなかったりして、ユーザーに強烈なストレスを与えます。
画面解像度に関わらず、指の物理的なサイズは変わりません。そのため、ボタンの高さは必ず「44px以上(指の腹で隠れないサイズ)」で設計するのが鉄則です。
「親指ゾーン」を意識した配置

多くのスマホユーザーは、片手(親指)で操作します。 最近のスマホは縦に長くなっているため(データの解像度でも高さ800px以上が主流)、画面の上部は指が届きにくいエリアです。 重要なCTAボタンやメニューは、指が自然に届く「画面下部」から「画面中央」のエリアに配置しましょう。
読みやすさを確保する「文字と画像」の鉄則
小さな画面で、いかにストレスなく読ませるかも重要なポイントです。
文字サイズは「16px」が最低ライン

PCサイトを縮小表示しているLPでよくあるのが、文字が米粒のように小さく、ピンチアウト(拡大)しないと読めないケースです。これでは誰も読んでくれません。 Googleは、モバイルフレンドリーなフォントサイズの基準として「16px」を推奨しています。 本文は16px以上、見出しは20px〜24pxでメリハリをつけることで、狭い画面でも情報の階層が伝わりやすくなります。
ファーストビューは「スマホ専用画像」に切り替える

PC用のメインビジュアルは「横長」で作られることが多いですが、これをスマホで表示すると、天地(高さ)が非常に狭くなり、迫力がなくなってしまいます。 スマホユーザーにインパクトを与えるには、CSSで画像を出し分け、スマホ専用の「正方形」または「縦長」の画像を表示させるのが正解です。
構成編:縦長ストレスを軽減する工夫
スマホLPは縦に長くなりがちです。スクロールの負担を減らすUIを導入しましょう。
アコーディオン(開閉)機能の活用
「スペック表」や「よくある質問」など、全員が必ずしも読む必要がない情報は、見出しだけを表示して中身を隠す「アコーディオン(+開く)」機能を活用しましょう。興味がある人だけが開いて読めるようにすることで、LP全体の長さを圧縮できます。
追従型CTA(固定フッター)の設置
LPが長くなればなるほど、CTAボタンまでの距離は遠くなります。 スクロールしても常に画面の最下部に「申し込みボタン」が固定表示される「追従型CTA」を設置することで、ユーザーが「欲しい」と思った瞬間にアクションできる状態を作りましょう。
まとめ
「レスポンシブ対応」というのは、単にPCサイトをスマホの幅に合わせて縮めることではありません。 実際のアクセスデータが示す通り、ユーザーの閲覧環境は多種多様です。
- 横幅375pxの狭い画面でも押しやすい「44px以上のボタン」
- 高解像度の画面でも読みやすい「16px以上の文字」
- PCとは異なる「スマホ専用の画像配置」
これらを徹底することが、モバイルからのコンバージョン率を高める最短ルートです。
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