Webサイト制作において、デザインの前に必ず行うべき重要な工程がワイヤーフレーム(WF)の作成です。しかし、いきなり1ページずつ作り始めてしまい、後からナビゲーションが統一されていない、修正が大変と後悔するケースも少なくありません。
本記事では、サイト全体の整合性を保ちながら効率的に設計するための、カテゴリーテンプレートを活用したワイヤーフレームの作り方を徹底解説します。
1. ワイヤーフレームとは?Webサイトの品質を決める設計図
ワイヤーフレームとは、Webサイトのレイアウトや情報の優先順位を整理した骨組みのことです。色や装飾といったデザイン要素を排し、以下の点を確認するために作成します。
- 何を:どんなコンテンツを掲載するか
- どこに:どの情報をどこに配置するか
- どのように:ユーザーをどう誘導するか(導線設計)
デザインやコーディングに入る前に、この設計図を固めることで、制作チームやクライアントとの認識のズレを防ぐことができます。
2. 効率的なワイヤーフレーム作成の全体フロー
効率的に作業を進めるためには、以下の4ステップで全体から詳細へと進めていくのが定石です。
- サイトマップの確定:全ページの把握とグルーピング。
- カテゴリーテンプレートの定義:共通の役割を持つページ群の型を作る。
- 個別ページへの展開:テンプレートをベースに具体的な中身を最適化する。
- ナビゲーションの整合性チェック:ユーザーが迷わない導線になっているか確認。
なお、すでにサイト内のカテゴリー構成やテンプレートが決まっている場合、あるいは既存ページの改修を行う場合は、ステップ1や2を省略し、ステップ3の「個別ページへの展開」から作業を開始して問題ありません。
3. カテゴリーテンプレートの定義:なぜ共通の型が必要なのか

個別ページの作成に入る前に、まずはカテゴリーテンプレートを定義します。
カテゴリーテンプレートとは
サイトマップ上で同じ属性を持つページ群(例:お知らせ一覧、製品詳細、コラム記事など)に対して適用する、共通のレイアウト雛形のことです。
なぜ型から作るのか
- ユーザー体験(UX)の統一:同じカテゴリー内のページで操作感が変わらないため、ユーザーが直感的に動けます。
- 制作の効率化:全ページを一から作る手間を省き、修正にも一括対応できます。
- ナビゲーションの最適化:カテゴリー特有のサイドメニューやパンくずリストの配置を固定できます。
4. ページごとのワイヤーフレーム作成方法詳細:テンプレートから個別ページへの落とし込み

ここからは、本記事のメインとなる個別ページへの落とし込み手順を解説します。テンプレートを選んでから、そのページ独自のコンテンツを最適化していく流れがベースとなります。
ステップ1:該当するカテゴリーテンプレートを選択する
作成するページがどのグループに属するかを確認し、ベースとなるテンプレートを呼び出します。これにより、ヘッダー、フッター、グローバルナビゲーション、サイドバーなどの共通要素が配置された状態からスタートできます。既存改修の場合は、現在のテンプレート構造をベースとして用意します。
ステップ2:個別部分のコンテンツ優先順位を決める
そのページ独自のコンテンツ(例えば、特定の製品紹介文、専用のお問い合わせボタン、独自の図解など)をリストアップします。
- ユーザーがそのページで最も求めている情報は何か?
- 運営側が最も伝えたい情報は何か? これらを基準に、掲載要素に1位から順位をつけます。
ステップ3:コンテンツのボリュームに合わせて配置を検討する
リストアップした要素の具体的なボリューム(テキストの文字数、画像の種類や数)を確認します。
- テキスト量が多い場合:読みやすさを考慮し、セクションを分けるかアコーディオンにするか検討。
- 画像が主役の場合:大きく配置し、視覚的に伝わるレイアウトに調整。 ボリュームを可視化することで、テンプレートの枠内にどう収めるか、あるいは微調整が必要かが見えてきます。
ステップ4:ナビゲーションとコンテンツのバランス調整
テンプレートの基本構造(ナビゲーション)を維持しつつ、ステップ3で決めた配置を流し込みます。ここで、独自のコンテンツがナビゲーションを邪魔していないか、あるいはナビゲーションからコンテンツへの導線がスムーズかを確認し、最終的なワイヤーフレームとして完成させます。
5. ワイヤーフレーム作成時に必ず確認すべきチェックポイント
最後に、ユーザーを迷わせないためのチェックリストを確認しましょう。
- ナビゲーションの視認性:現在地を示すパンくずリストや、カレント表示が含まれているか。
- 情報の優先順位:ステップ2で決めた優先度の高い要素が、ファーストビューや目立つ位置にあるか。
- 回遊性の確保:コンテンツを読み終えた場所に、次のアクションを促す導線があるか。
- レスポンシブの考慮:スマホで見た際に、コンテンツのボリュームが多すぎて操作性が損なわれていないか。
6. まとめ
ワイヤーフレーム制作の成功は、いきなり細部を作り込まないことにあります。サイトマップからカテゴリーテンプレートを作り、それをベースに各ページの優先順位やボリュームを反映させていく逆算のステップが重要です。
ナビゲーションというサイトの軸をテンプレートで固定し、その中で個別ページのコンテンツを最適化することで、一貫性と情報の伝わりやすさを両立した高品質なサイトが完成します。

