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LPOの手法・施策リスト全網羅|マイクロコピーから中間CVの検討、チャットボット導入まで

LPOの手法・施策リスト全網羅 マイクロコピーから中間CVの検討、チャットボット導入まで

「広告費を増やしているのに、コンバージョン(CV)が一向に増えない」 「CPA(獲得単価)が高騰しており、改善の打ち手が見つからない」

Web広告の運用において、このような壁にぶつかっていませんか? 集客(広告)にお金をかける前に見直すべきなのが、その受け皿となる「ランディングページ(LP)」です。穴の空いたバケツにいくら水を注いでも溜まらないように、LPに致命的な欠陥があれば、広告費は無駄になり続けます。

本記事では、手軽にできるテキストの修正から、抜本的な戦略の見直し、最新ツールの導入まで、CVR(成約率)を劇的に改善するためのLPO(ランディングページ最適化)の手法を網羅的に解説します。

※LPの基礎知識や、基本的な作り方について復習したい方は、以下の記事を先にご覧ください。


目次

【コンテンツ編】心理的ハードルを下げるライティング技術

デザインやシステムをいじる前に、まずは最もコストがかからず、かつ効果が出やすい「言葉(テキスト)」の改善から着手しましょう。ユーザーの心理的ハードルを下げる工夫が凝らされているか確認してください。

マイクロコピーのブラッシュアップ

マイクロコピーとは、申し込みボタンの文言や、その周囲に添えられる短いテキストのことです。この数文字を変えるだけで、CVRが1.5倍になることも珍しくありません。

  • ボタン文言の変更 「送信する」「申し込む」といった事務的な言葉は、ユーザーに義務感や負担を感じさせます。「無料で資料を受け取る」「今すぐ試してみる」のように、クリックした先のメリットを想起させる能動的な言葉に変更しましょう。
  • 不安を取り除く一言(クリックトリガー) ボタンの直上や直下に、クリックを躊躇する理由を潰す言葉を添えます。
    • 手間への不安対策:「1分で入力完了」「登録不要」
    • 金銭的な不安対策:「初月無料」「返金保証付き」
    • 心理的な不安対策:「強引な勧誘は一切ありません」

ベネフィットライティングへの変換

商品やサービスの特徴(スペック)ばかりを並べていませんか?ユーザーはお金を払って「良い未来」を買おうとしています。 「最新の◯◯成分配合(特徴)」ではなく、「翌朝、鏡を見るのが楽しみになる(ベネフィット)」と表現しましょう。特にスマートフォンの場合、長い文章は読まれないため、ベネフィットを箇条書きにして瞬時に伝わるようにするのが鉄則です。

信頼コンテンツ(権威性・UGC)の強化

どんなに良いことを言っても、売り手である企業側の言葉だけでは信用されません。第三者の客観的な評価を目立つ位置に配置し、信頼性を担保します。

  • UGC(ユーザーの声) SNSの投稿を埋め込んだり、手書きのアンケート画像を掲載したりして、リアリティのある声を届けます。
  • 権威性バッジ 「◯◯ランキングNo.1」「累計導入数◯社」「メディア掲載実績」などのロゴやバッジをファーストビュー直下やCTA周りに配置します。

【デザイン編】視線誘導と第一印象の改善

コンテンツの内容が決まったら、それをユーザーにストレスなく読ませ、ボタンまで誘導するための「見た目」を整えます。

ファーストビュー(FV)の最適化

LPに訪れたユーザーの約70%は、最初の画面(FV)だけを見て離脱すると言われています。FVの改善はLPOにおいて最もインパクトが大きい施策です。

  • キャッチコピーの視認性 背景画像と同化して読みづらくなっていないか確認し、文字サイズを大きくしたり、文字背景に帯を敷いたりして可読性を高めます。
  • メインビジュアルのテスト 「商品の写真」が良いのか、「人物(ターゲット像)の写真」が良いのか、「実績のグラフ」が良いのか。商材によって正解が異なるため、ABテストで検証します。

ファーストビューの具体的な作成方法・改善方法は以下の記事で具体的にご紹介しています。

CTAボタンのデザイン改善

CTA(Call To Action)ボタンは、ページの中で最も目立つ存在でなければなりません。

  • 色の変更 LP全体のキーカラーに対して「補色(反対色)」を使い、異物感を出して目立たせます。例えば、青いサイトならオレンジや黄色のボタンが有効です。
  • 形状と動き 立体感(ドロップシャドウ)をつけたり、光るアニメーションを実装したりして、「これはクリックできるボタンである」と直感的に認識させます。

LPの具体的なCTAの作成方法・改善方法は以下の記事で具体的にご紹介しています。

スマートフォン最適化(モバイルファースト)

BtoC商材であれば、アクセスの8割以上がスマホであるケースも多いです。PCのデザインをそのまま縮小しただけのLPは成果が出ません。 文字サイズは最低でも16px以上を確保し、ボタンは指でタップしやすい大きさ(高さ44px以上推奨)に調整しましょう。


【EFO編】最後の最後で逃さない入力フォーム最適化

「申し込みボタン」を押した後に表示される入力フォームで離脱される(カゴ落ち)ことほど、もったいないことはありません。EFO(Entry Form Optimization)は確実に実施しましょう。

入力項目の削減と必須項目の厳選

入力項目が多ければ多いほど、離脱率は上がります。「ふりがな」や「会社名」など、本当に今すぐ必要な情報以外は削除するか、任意項目にしましょう。

リアルタイムバリデーション

エラー表示のタイミングも重要です。すべて入力し終わって「送信」を押した後に「◯◯が間違っています」と表示されると、ユーザーの心が折れてしまいます。入力した瞬間に「OK」「NG」を判定し、その場で修正を促す機能を実装しましょう。

フォーム一体型LPの導入

「申し込みボタン」を押して別のフォームページへ遷移させるのではなく、LPの最下部にフォームを直接埋め込む手法です。ページ移動による読み込み時間や心理的な分断をなくせるため、CVR向上が期待できます。

LPに特化した具体的なEFO手法については以下の記事で詳しくご消化しています。


【戦略編】成果が出ない時に見直すべき根本設計

ここまでの基礎的な改善(コンテンツ・デザイン・EFO)を行っても数値が改善しない場合、そもそも「誰に・何を売るか」という戦略自体がズレている可能性があります。

ターゲットと流入経路の再整合(メッセージマッチ)

ユーザーは広告をクリックした時の期待を持ってLPに訪れます。 例えば「格安」というキーワードの広告から来たのに、LPの冒頭で「高品質・高級」を訴求していれば、ユーザーは「求めているものと違う」と感じて即離脱します。 流入元(広告のキーワードやクリエイティブ)とLPのファーストビューの訴求が一致しているか、メッセージマッチを確認しましょう。ズレている場合は、広告ごとにLPを分けるか、LPOツールを使ってFVを出し分ける施策が有効です。

マクロコンバージョン(中間CV)の導入・検討

いきなり「購入(3万円)」や「来店予約」をゴールに設定していませんか? ユーザーにとってハードルが高すぎる場合、その手前に「中間ゴール(マクロコンバージョン)」を設置することで、リード獲得数が劇的に伸びる場合があります。

  • 変更例
    • 「商品購入」→「無料サンプル請求」「モニター募集」
    • 「個別相談会への参加」→「資料請求」「ホワイトペーパーダウンロード」
    • 「来店予約」→「LINE公式アカウント登録」「料金シミュレーション」

まずは見込み客(リード)として接点を持ち、その後のメールやLINE配信(ナーチャリング)で本命のコンバージョンへ引き上げる「2ステップマーケティング」への転換を検討しましょう。


【機能・ツール編】中間CV獲得と離脱防止のシステム化

戦略編で検討した「中間CV」を効率よく獲得するため、または取りこぼしを防ぐためには、テクノロジー(ツール)の活用が欠かせません。

チャットボットの実装

ページを読むのが面倒なユーザーや、ちょっとした疑問を持って止まっているユーザーに対し、チャットボットは有効です。 能動的にフォームを探して入力する意欲が低いユーザーでも、会話形式のチャットであれば、気軽に診断に答えたり質問したりできます。特に「自分に合うプランがわからない」といった悩み解決系の商材や、中間CV(診断など)への誘導において高い効果を発揮します。

離脱防止ポップアップ(Exit Intent)の実装

ユーザーがブラウザの「戻る」ボタンを押そうとしたり、タブを閉じようとしたりした瞬間に、ポップアップウィンドウを表示させる機能です。 「まだ検討中ですか?」と問いかけ、限定クーポンを提示して引き止めたり、「まずは資料請求だけでも」とハードルの低い中間CVへ誘導したりすることで、本来なら離脱していたユーザーを救い上げることができます。


LPOを成功させるための分析と検証プロセス

LPOは「なんとなく」で行っても成果は出ません。必ずデータに基づいた分析と検証が必要です。

定量分析と定性分析

Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツール(定量分析)で「どのページで、どのデバイスで離脱が多いか」を特定します。 さらに、ヒートマップツール(定性分析)を使って、「ページのどこまで読まれているか(熟読率)」「どこがクリックされているか」を可視化し、改善箇所の仮説を立てます。

正しいABテストのルール

改善施策を行う際は、必ずABテスト(検証)を行いましょう。この時の鉄則は「一度に変更するのは一箇所だけにする」ことです。 キャッチコピーと写真を同時に変えてしまうと、結果が良くなったとしても、どちらが要因だったのかが分からず、次の改善に活かせません。地道ですが、一つずつ変えて検証を繰り返すことが最短ルートです。


まとめ

LPOの手法は、コンテンツやデザインといった「基礎部分」の改善から、マクロコンバージョンの見直しやチャット導入といった「戦略・システム部分」の改善まで多岐にわたります。

まずは現状のLPを分析し、最も穴が大きい部分(FVやフォームなど)から優先的に塞いでいきましょう。それでも数値が伸び悩む場合は、ゴール設定(中間CV)の見直しという抜本的な治療が必要かもしれません。

「自社のLPはどこから手を付けるべきかわからない」「戦略の見直しから相談したい」という方は、ぜひ当社の無料診断をご利用ください。豊富なLPO実績に基づき、御社に最適な改善プランをご提案いたします。

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