社内報は発行して終わりではなく、「読まれ方を知り、次に活かすこと」で価値が高まります。
そのために欠かせないのが、読者である社員へのアンケートです。
この記事では、社内報アンケートを効果的に設計し、継続的な改善につなげる方法を解説します。
アンケートを実施する目的
アンケートの目的は単に「感想を集めること」ではありません。
読者の反応を定量的・定性的に把握し、次号の方針やコンテンツ改善に役立てることが本質です。
主な目的
- 社内報がどの程度読まれているかを把握する
- 読者が関心を持ったテーマを特定する
- 改善要望や新しい企画のヒントを得る
- 発行目的(理念浸透・社内理解など)の達成度を確認する
継続して実施すれば、社員の意識変化やエンゲージメントの推移を測る指標にもなります。
アンケート設計の基本ステップ
アンケートを効果的に行うには、目的を明確にし、質問の粒度を整理することが重要です。
以下は、設計から分析までの基本的な流れです。
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 目的設定 | 何を明らかにしたいかを決める | 読了率か、満足度か、意識変化か |
| 2. 質問設計 | 定量・定性のバランスを取る | 数値化+自由回答の組み合わせ |
| 3. 実施・配信 | 社内の環境に合わせた方法を選ぶ | メール・フォーム・社内ポータル |
| 4. 集計・分析 | 数値・傾向を整理 | 部門別・年次別で比較する |
| 5. フィードバック | 結果を共有し改善に活かす | 社内報内で発表すると参加意欲UP |
この表は、アンケートの運用全体を俯瞰したものです。
最初から完璧を目指す必要はなく、「毎号1〜2問でも継続する」ことが効果を生みます。
質問項目の設計ポイント
質問設計は、回答しやすく・分析しやすい構成にすることが基本です。
アンケートの目的別に、代表的な質問例をまとめました。
| 目的 | 質問例 | 回答形式 |
|---|---|---|
| 満足度測定 | 今号の内容に満足しましたか? | 5段階評価(とても満足〜不満) |
| 読了状況 | 社内報をどのくらい読みましたか? | 全文/半分/一部/読んでいない |
| 関心テーマ | 特に印象に残った記事はどれですか? | 複数選択 |
| 改善要望 | 次号に取り上げてほしいテーマは? | 自由回答 |
| 媒体評価 | 紙とデジタル、どちらで読みたいですか? | 選択式 |
| 意識変化 | 社内理解・共感は深まりましたか? | 5段階評価 |
この表は「質問を目的に応じて整理する」ためのベースとして使えます。
質問数は5〜8問程度に絞ると、回答率を維持しやすくなります。
アンケート配信の方法とタイミング
アンケートは、発行直後の熱量が高いうちに配信するのがポイントです。
以下のようなタイミングと方法が効果的です。
- 発行後3日以内にメールまたは社内チャットで案内する
- デジタル社内報の場合は記事末にフォームを設置
- 紙社内報の場合はQRコードでオンライン回答を促す
- 回答期限を明確にし、リマインドを1回送る
回答率を上げるには「集計結果を次号で公開」することも有効です。
自分の意見が反映されると、社員はアンケート参加を継続しやすくなります。
結果の分析と活用方法
アンケート結果は、単に平均値を出すだけではなく、「どの層がどう反応したか」を見極めることが大切です。
表のように視点を整理すると、改善ポイントが明確になります。
| 分析視点 | 確認内容 | 活用方法 |
|---|---|---|
| テーマ別 | どの記事が最も読まれているか | 人気テーマを定番化する |
| 部門別 | 部門ごとに満足度の差があるか | 情報の偏りを調整 |
| 年次別 | 若手・ベテランで反応が違うか | ターゲット層を明確化 |
| 媒体別 | 紙とWebのどちらが読まれているか | 発行形式を最適化 |
| 自由回答 | 改善点や要望の傾向 | 企画会議で共有・反映 |
この分析を定例の編集会議で確認することで、次号の企画にすぐ反映できます。
アンケート結果の社内共有のコツ
- 回答率・満足度などをグラフ化して見やすくする
- 「社員の声」として印象的なコメントを抜粋して掲載
- 経営層・人事部門にも共有して社内理解を促す
- 次号で「アンケートから生まれた新企画」を紹介する
結果を“発表”することで、社員の参加意識が高まり、社内報が「一方通行ではないメディア」へと進化します。
まとめ:アンケートは“次号を作るための会話”
アンケートは評価のためではなく、読者とのコミュニケーション手段です。
社員の声を定期的に聞き取り、改善に反映することで、社内報の質は確実に向上します。
「読者と一緒に育てる社内報」を目指す意識が、継続と進化の原動力になります。
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