社内報は一度発行したら終わりではなく、定期的に継続することに価値があります。
そのためには、無理のないスケジュールと、安定した制作フローを整えることが欠かせません。
この記事では、社内報の発行サイクルを設計する際の考え方と、一般的な制作スケジュールの実例を紹介します。
社内報の発行サイクルを決めるポイント
まずは「どのくらいの頻度で発行するか」を決める必要があります。
頻度によって制作負荷や情報鮮度が変わるため、自社の体制に合わせたペース設定が大切です。
| 発行頻度 | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 月刊 | タイムリーな情報発信が可能。制作体制が必要。 | 大企業・広報専任チームあり |
| 隔月刊 | 安定したペースで継続しやすい。 | 中規模〜大規模企業 |
| 季刊 | 一号ごとに企画性を高められる。 | リソースが限られる企業 |
| 半年刊 | 記録・総まとめ型に適する。 | 行事中心の発行を行う企業 |
発行頻度は「情報の鮮度」と「制作リソース」のバランスで決めましょう。
最初は季刊や隔月刊から始め、体制が整ってから月刊化するのが現実的です。
社内報制作の全体フロー
発行までの基本的な工程は、企画立案から改善までの7ステップに整理できます。
| フェーズ | 内容 | 担当例 |
|---|---|---|
| 1. 企画立案 | 特集テーマ・構成を決める | 編集会議・広報担当 |
| 2. 取材準備 | スケジュール調整・質問設計 | 編集・ライター |
| 3. 取材・撮影 | 現場取材・写真撮影を実施 | 編集・カメラマン |
| 4. 執筆・デザイン | 原稿作成とレイアウト構成 | ライター・デザイナー |
| 5. 校正・承認 | 内容確認・経営層チェック | 広報・関係部門 |
| 6. 印刷・配信 | 紙なら印刷、デジタルなら配信設定 | 制作会社・担当者 |
| 7. フィードバック | アンケート・アクセス分析 | 編集部・人事 |
この表は「1号を完成させるまでの基本的な流れ」を整理したものです。
実際には、複数工程を並行して進めることも多く、各社の体制に応じてアレンジが必要です。
発行スケジュールの立て方
制作フローを回すためには、各工程に必要な期間を見積もり、全体スケジュールを組むことが重要です。
以下の表は、1号あたりを1.5〜2か月で制作する標準的なケースを示しています。
| 期間 | 作業内容 | 主担当 |
|---|---|---|
| 発行の2か月前 | 企画会議・テーマ決定 | 編集責任者・広報 |
| 発行の1.5か月前 | 取材先選定・アポ取り | 編集部 |
| 発行の1か月前 | 取材・撮影・原稿執筆 | ライター・カメラマン |
| 発行の3週間前 | 原稿提出・初校デザイン | デザイナー |
| 発行の2週間前 | 校正・関係者チェック | 編集・広報 |
| 発行の1週間前 | 最終校正・印刷・入稿 | 制作会社 |
| 発行後 | 社員配布・データ分析 | 広報・人事 |
このように工程を時系列で可視化しておくと、ボトルネックが発生しにくくなります。
デジタル社内報の場合のスケジュール例
デジタル社内報は更新頻度が高く、スピード感のある運用が求められます。
下の表は、月刊または隔週更新を想定したデジタル運用スケジュールの一例です。
| 期間 | 主な作業 | ポイント |
|---|---|---|
| 週1〜2回 | コンテンツ更新・新着掲載 | 編集担当が直接CMSで更新 |
| 月初 | 特集記事公開・トップ更新 | デザインテンプレートを再利用 |
| 月中 | 社員投稿・アンケート集計 | 双方向性の強化 |
| 月末 | アクセス分析・次号企画 | データを基に改善 |
デジタル社内報では、編集者が「運用ディレクター」として進行管理を担うことが成功の鍵になります。
スケジュール管理のコツ
- 定例化する:編集会議・取材日程・校正日を固定化すると継続しやすい
- 余裕をもたせる:承認や校正には想定以上の時間がかかる
- 進行表を共有する:Googleスプレッドシートなどで全員が進捗を確認できるようにする
- チェックリストを活用:漏れ防止のために毎号同じ項目を確認
また、次号の企画を「前号発行直後」に始めることで、常に安定したリズムを保てます。
制作遅延を防ぐための工夫
- 取材対象者には早めにアポを取る
- 校正回数を決めておく(例:初校・再校・最終)
- 修正対応は期限を明確にする
- 外部パートナーとも共有カレンダーで連携する
社内報は複数人で関わるため、「関係者全員が同じ時間軸を共有しているか」が最も重要です。
まとめ:スケジュール設計は“社内報が続くかどうか”を決める要素
社内報は、発行のペースが乱れると読者の関心が薄れ、社内コミュニケーションの効果も下がってしまいます。
明確なスケジュールと制作フローを整えることで、担当者の負担を軽減しながら、継続的に高品質な発行が可能になります。
一度テンプレート化して共有することで、誰が担当しても運用が止まらない仕組みを作りましょう。
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