社内報は「発行して終わり」ではなく、「次にどう活かすか」で成長していく媒体です。
そのために欠かせないのが、発行後に実施する“改善会議”。
アンケート結果や閲覧データを共有し、次号の方向性を全員で整理することで、内容の質が継続的に向上します。
この記事では、社内報改善会議の進め方と議題設計のポイントを紹介します。
改善会議を行う目的
改善会議の目的は、「感想を言い合うこと」ではなく、「次号の改善点と方向性を合意すること」です。
チームで課題と成果を共有し、実行可能なアクションプランへと落とし込むことが重要です。
目的を整理すると、次の3点に集約されます。
- 発行号の成果・課題を客観的に確認する
- 改善点を明確化し、次号の企画テーマへ反映する
- チーム全員の意見を吸い上げて改善の方向を統一する
改善会議の基本構成
会議を効率的に進めるには、事前に「目的・資料・担当」を決めておくことが大切です。
以下の表は、社内報改善会議の基本構成を整理したものです。
| 項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 目的 | 発行号の振り返りと次号方針の検討 | 「何を決めるか」を明確に |
| 開催タイミング | 発行後1〜2週間以内 | 関係者の記憶が新しいうちに |
| 参加者 | 編集担当・デザイナー・経営層・協力部門など | チーム全員で改善を共有 |
| 準備資料 | 閲覧データ・アンケート結果・進行表 | 数値と実例をセットで提示 |
| 所要時間 | 60〜90分程度 | 発表とディスカッションをバランス良く |
この表は「会議の骨格」を定義するための参考テンプレートです。
目的が曖昧なまま集まるより、事前にアジェンダを決めておくことで生産的な時間に変わります。
会議のアジェンダ例
改善会議では、話す順番と内容の整理が成果を左右します。
以下のアジェンダ例は、発行後の流れに沿って無理なく議論が進む構成です。
| セクション | 内容 | 発言者例 |
|---|---|---|
| 1. オープニング | 会議目的の共有、データ概要報告 | 編集責任者 |
| 2. 成果の確認 | 閲覧数・満足度・人気記事ランキング | 編集担当 |
| 3. 課題の共有 | 改善が必要な記事・遅延・反応が薄い企画 | 制作・デザイナー |
| 4. 社員の声紹介 | アンケート・コメント・自由回答の抜粋 | 編集担当 |
| 5. 次号テーマの方向性検討 | 継続・刷新すべきコーナーを議論 | チーム全員 |
| 6. 実施計画・担当割り振り | 次号スケジュールと役割決定 | 編集責任者 |
このアジェンダに沿って進めると、数値→感想→改善→次号企画という流れが自然に定着します。
会議で使用する主な資料
数字と声の両面から見られる資料を準備すると、議論が深まります。
主な資料
- アクセスデータ(PV、滞在時間、直帰率など)
- 社員アンケートの集計結果・自由回答抜粋
- 各記事の反響コメント(社内SNS投稿など)
- スケジュール進行の実績と遅延点の記録
- 編集後記・担当メモ(現場での感触)
これらを共有すると、「数字では好調だが体感では読まれていない」など、ズレの原因も明確になります。
データをもとにした議論の進め方
数値を単に読み上げるだけではなく、「なぜそうなったか」「次はどうするか」に焦点を当てましょう。
以下の表は、データをベースにした建設的な議論の進め方を整理したものです。
| 論点 | 見るべきデータ | 次号への対応策例 |
|---|---|---|
| 読まれた記事 | PV・滞在時間 | 類似テーマを継続・シリーズ化 |
| 読まれなかった記事 | クリック率・離脱率 | タイトル・構成・導線を改善 |
| 反響が高かった企画 | コメント・共有数 | 社員参加型として拡大 |
| 進行で課題が出た | 校正遅延・素材不足 | 承認ルールの見直し |
| 全体満足度が下がった | アンケート結果 | 号テーマの再設定・デザイン刷新 |
この表を使うと、会議中の議論を「感覚論」から「データベースの改善提案」に変換できます。
会議後のアクションプラン策定
会議の成果は「次号で何を変えるか」を明文化することです。
議論だけで終わらせず、具体的なアクションを設定しましょう。
アクションプラン策定のポイント
- 改善項目を3つ以内に絞る(多すぎると実行できない)
- 担当者と期限を明記する
- 改善策を社内共有し、実施状況を追跡する
- 成果を次の会議で検証する
改善を“仕組み化”することで、社内報の質が毎号確実に向上していきます。
まとめ:会議は「次号の種をまく時間」
改善会議は、数字の報告会ではなく「次号をより良くするための創造の場」です。
数値・感想・現場感を掛け合わせ、実行可能なアイデアにまとめることができれば、社内報は継続的に成長します。
小さな改善を積み重ねるチームの姿勢が、結果として“読まれる社内報”をつくる力になります。
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