社内報を制作する際、最初に検討すべき大きなポイントが「紙で発行するか、デジタルで配信するか」です。
どちらもメリットと課題があり、目的や社内環境によって最適な形式は異なります。
本記事では、紙社内報とデジタル社内報の特徴を比較し、それぞれの選び方と活用のヒントを紹介します。
紙とデジタル、社内報の2つの形
社内報は大きく分けて次の2形態に分類されます。
| 形式 | 主な媒体 | 主な読まれ方 |
|---|---|---|
| 紙社内報 | 冊子・リーフレット | 手渡し・回覧・休憩時に読む |
| デジタル社内報 | Web・アプリ・PDF | PC・スマホ・タブレットで閲覧 |
発行目的が「経営理念の浸透」「社員エンゲージメント向上」である点は共通ですが、
社内の働き方や閲覧環境によって最適な手段が変わります。
紙社内報の特徴とメリット
紙社内報は、長年にわたって多くの企業で発行されてきた伝統的な形式です。
「手に取って読む」安心感と、「形に残る」実在感が特徴です。
主なメリット
- 物理的に届けられるため、全社員が確実に目を通しやすい
- レイアウトの自由度が高く、デザイン性に優れる
- 印刷物として記念・保存に適している
- 工場や店舗などPC環境がない職場でも配布可能
一方で、印刷・配送コストがかかり、発行頻度を上げにくいという課題もあります。
デジタル社内報の特徴とメリット
デジタル社内報は、社内ポータルや専用ツールを活用してオンライン配信される形式です。
近年は、スマートフォン対応のWeb社内報が主流になっています。
主なメリット
- 更新が容易で、タイムリーに情報発信できる
- 動画や音声など多彩なコンテンツが掲載可能
- アクセスログを分析でき、閲覧データを活かせる
- 紙よりも制作コストを抑えられる
- 社員がどこからでも閲覧できる(リモート対応)
その反面、閲覧率を維持するにはデザインや通知設計など、継続的な運用工夫が求められます。
紙社内報とデジタル社内報の比較表
| 比較項目 | 紙社内報 | デジタル社内報 |
|---|---|---|
| 発行頻度 | 季刊・隔月が多い | 月刊・週刊・随時更新が可能 |
| コスト | 印刷・配送費が必要 | 初期導入費・運用費が中心 |
| 更新スピード | 修正が難しい | 即時更新可能 |
| 情報量 | 限られたページ内で完結 | スクロールで自由に展開 |
| デザイン | 紙面レイアウト重視 | モジュール・テンプレート重視 |
| 読まれ方 | 落ち着いて読む | スマホで短時間に読む |
| 計測 | 難しい | アクセス分析が可能 |
| 保存性 | 高い | アーカイブ化が必要 |
| 相性が良い環境 | 現場・工場・非デジタル職場 | オフィス・リモート勤務中心 |
両者の特性を把握したうえで、自社の社風・働き方に合う方を選びましょう。
どちらを選ぶべきか?判断基準
発行形態を選ぶ際は、「目的」「社内環境」「運用体制」の3軸で考えると整理しやすくなります。
| 判断軸 | 紙が適している場合 | デジタルが適している場合 |
|---|---|---|
| 目的 | 社員への感謝・文化継承を重視 | 情報共有・スピード重視 |
| 環境 | PC未導入の職場が多い | 社員がPC・スマホを常用 |
| 運用体制 | 年数回の発行に集中できる | 定期更新・分析ができる体制がある |
単純な二択ではなく、「何を最優先にするか」で選び方が変わります。
ハイブリッド型(紙+デジタル)の活用
最近では、紙とデジタルの両方を組み合わせた「ハイブリッド社内報」も増えています。
情報の特性に応じてメディアを使い分けることで、それぞれの弱点を補えます。
ハイブリッド活用の例
- 紙社内報で特集・インタビューを掲載し、詳細や動画をWebで補足
- 紙面からQRコードでデジタル版へ誘導
- デジタルでリアルタイム情報を発信し、紙でまとめ・保存用に発行
この方法なら、社員全体に確実に届けつつ、デジタルの柔軟性も生かせます。
デジタル化を検討する際の注意点
- 社員がアクセスしやすい仕組み(シングルサインオンなど)を整える
- スマホでも読みやすいデザインを採用する
- 投稿機能・アンケート機能など、双方向性を活用する
- データをもとに改善サイクルを回す
単なる「オンライン化」ではなく、運用のしやすさと分析の仕組みをセットで考えることが重要です。
まとめ:自社の環境に合った形式を選ぶ
紙社内報は「手に取る温かさ」、デジタル社内報は「スピードと分析性」が強みです。
どちらが優れているというよりも、社内環境と目的に応じて最適な形式を選ぶことが大切です。
働き方の多様化が進む今、ハイブリッド型を含めた柔軟な発行スタイルが主流になりつつあります。
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