社内報を継続して発行するうえで最も重要なのは、「担当者を支える仕組み」を整えることです。
多くの企業では、担当者が他業務と兼任しており、企画や発行が滞るケースが少なくありません。
この記事では、社内報を安定して運用するための体制づくりと、役割分担の考え方を紹介します。
なぜ運用体制が重要なのか
社内報は、1人で作る「広報物」ではなく、組織全体で取り組む「社内プロジェクト」に近い存在です。
制作フローの中で関わる人が多いため、誰がどの工程を担うかを明確にしなければ発行が止まってしまいます。
主な課題例
- 担当者が1人で企画からデザインまで抱えてしまう
- 部門間の調整に時間がかかる
- 承認・確認が遅れてスケジュールがずれる
- 発行後の改善が属人化している
こうした課題を防ぐには、社内報を「チームで作る体制」に変えることが不可欠です。
社内報チームの基本構成
社内報の制作には、企画・編集・デザイン・撮影・配信など多くの工程があります。
以下の表は、社内報運用チームの代表的な役割と担当範囲を整理したものです。
| 役割 | 主な業務 | 担当の例 |
|---|---|---|
| 編集責任者(広報・人事) | 方針決定、スケジュール管理、最終承認 | 広報責任者、人事部長 |
| 編集担当 | 企画立案、原稿作成、取材調整 | 広報担当、企画職 |
| デザイナー | レイアウト制作、写真選定 | 社内デザイナー、外注 |
| カメラマン | 撮影・画像処理 | 社内または外部パートナー |
| 経営層 | メッセージ発信、企画承認 | 社長・役員 |
| 協力部門 | 情報提供・記事協力 | 各部署リーダー、現場社員 |
この表は、1号あたりの制作を滞りなく進めるための「最小限の分担構造」を示しています。
大規模企業であれば編集部形式、小規模企業であればプロジェクトチーム形式が適しています。
社内報の編集体制をどう作るか
編集体制を設計する際は、発行頻度や社内規模に応じて柔軟に決めましょう。
以下はよくある2つのモデルです。
1. 編集委員会型(大企業・複数拠点向け)
- 各部署から代表者を選出し、編集会議でテーマを決定
- 月1回程度の定例ミーティングで進行を共有
- 号ごとにリーダー(編集長)を設定して意思決定をスピード化
2. 編集担当中心型(中小規模・広報主導)
- 広報または人事担当が中心となり、企画と制作を統括
- 専門部分(撮影・デザイン)は外部パートナーに委託
- 定期的に経営層へ報告し、方針を調整
どちらのモデルでも重要なのは、「担当者が孤立しない体制」を作ることです。
社内での情報収集ネットワークを作る
良い社内報は「情報が自然に集まる仕組み」から生まれます。
担当者が毎回ネタを探すのではなく、社内に協力的な情報ルートを構築しましょう。
情報収集の仕組み例
- 各部署に“社内報リポーター”を配置
- 社員からの投稿フォームを設置(フォームやSlack連携など)
- 定例会議で社内トピックを共有してもらう
- 社内SNSやチャットツールから話題をピックアップ
情報が自動的に流れ込む構造をつくると、ネタ探しにかかる時間を大幅に削減できます。
承認フローを明確にする
承認の遅れは社内報が滞る大きな原因の一つです。
あらかじめ誰がどの段階で確認するのかを決め、スケジュールに組み込みましょう。
承認フローの例
- 編集担当が初稿を作成
- 編集責任者が内容を確認
- 関係部署(法務・経営層)がチェック
- デザイナーが最終版に反映
- 編集長が発行を承認
フローを文書化しておくと、担当が変わってもスムーズに引き継げます。
外部パートナーとの連携方法
デザインやライティングを外注している場合は、社内外の連携も重要です。
納期や確認方法をあいまいにせず、進行表を共有しておくことでトラブルを防げます。
連携をスムーズに進めるためのポイント
- 取材・原稿・写真素材の納期を明確化する
- 修正対応の回数や範囲を決めておく
- SlackやTeamsなど、リアルタイムで連絡できる環境を整備する
- 外部メンバーも含めた定例ミーティングを設ける
外部との関係を“協働チーム”として構築することが、安定した品質につながります。
継続できる社内報運用の条件
- 発行目的とKPIをチーム全員で共有している
- 担当者が入れ替わっても運用ルールが維持できる
- 情報提供が社内文化として定着している
- 経営層が発行をサポートしている
これらの要素が揃うと、社内報は「個人に依存しない組織的メディア」に成長します。
まとめ:チームで作る社内報が続く社内報
社内報は、1人の担当者が頑張るメディアではなく、チームで作り上げるものです。
役割を明確に分担し、情報共有の仕組みを整えることで、発行のリズムと品質を両立できます。
体制づくりそのものが、すでに「社内の協力関係を可視化するコミュニケーション施策」です。
関連サービス
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