社内報を立ち上げるときに多くの担当者が悩むのが「何から始めればよいか」です。
やみくもに記事を集めたり、デザインを整えるだけでは、読まれる社内報にはなりません。
大切なのは、目的に沿った企画設計と、運用を続けられる仕組みづくりです。
このページでは、社内報を一から立ち上げるための基本ステップをわかりやすく整理します。
社内報づくりの全体像
社内報の制作は、一般的に以下のような流れで進みます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 目的の設定 | なぜ発行するのかを明確にする |
| 2. コンセプト設計 | 誰に・何を・どのように届けるかを決める |
| 3. 企画立案 | テーマ・特集・構成を考える |
| 4. 制作(取材・執筆・デザイン) | 実際の記事やビジュアルを制作 |
| 5. 校正・承認 | 内容を確認し、関係者のチェックを通す |
| 6. 発行・配信 | 社員へ届ける |
| 7. 効果測定・改善 | 読まれ方を分析し、次号へ反映 |
このサイクルを継続的に回すことが、社内報運用の基本です。
ステップ1:目的を明確にする
まず最初に決めるべきは「目的」です。
目的があいまいなまま始めると、記事の方向性が定まらず、読まれにくい社内報になります。
主な目的の例
- 経営理念やビジョンの浸透
- 社員同士のつながり強化
- 部門間の情報共有
- モチベーションの向上
- 社内文化の醸成
複数の目的を盛り込むこともできますが、中心となる目的を1つに絞ると、企画がぶれずに進めやすくなります。
ステップ2:ターゲットとコンセプトを設定する
社内報といえども「読者」は明確に定める必要があります。
全社員を対象とする場合でも、どんな立場の人にどんな行動を促したいかを設計します。
例:
- 若手社員に経営の方向性を伝えたい
- 現場と本社をつなぎたい
- 管理職に社内文化を浸透させたい
その上で、社内報全体のトーンやコンセプトを決めます。
たとえば「フラットで親しみやすい雰囲気」か「経営情報を整理して伝えるスタイル」かによって、記事構成やデザインも大きく変わります。
ステップ3:企画を立てる
目的とコンセプトが決まったら、次に行うのが「企画立案」です。
1号分の内容を考える際は、読者が知りたい情報と、会社が伝えたいメッセージをバランスよく配置します。
基本構成の一例
| セクション | 内容例 |
|---|---|
| 特集記事 | 経営テーマ、プロジェクト紹介 |
| インタビュー | 社員やリーダーの声 |
| コラム | 社長・役員のメッセージ |
| 社員紹介 | 新入社員、部門紹介、趣味紹介 |
| お知らせ | 行事予定、社内制度、イベント情報 |
定番コンテンツと新規企画を組み合わせて、号ごとのリズムをつくりましょう。
ステップ4:取材・執筆・デザイン
実際の制作段階では、各工程を並行して進めるのが一般的です。
チーム体制を明確にしておくと、スムーズな進行が可能になります。
チーム例
| 役割 | 主な担当業務 |
|---|---|
| 編集責任者 | 全体方針、スケジュール管理 |
| 編集・ライター | 企画、取材、執筆 |
| デザイナー | レイアウト、ビジュアル制作 |
| 広報・人事担当 | 社内調整、承認対応 |
| カメラマン | 撮影、画像処理 |
取材では「何を聞きたいか」を事前に明確にし、相手の言葉を引き出す質問設計を行いましょう。
また、デザインは見やすさと統一感が最優先です。トーン&マナーを決めておくことで、号を重ねてもブランドイメージが保てます。
ステップ5:校正と承認のフローを整える
社内報では、誤字脱字だけでなく、表現の公平性・機密性にも注意が必要です。
校正・承認フローを明確にすることで、トラブルを防ぎ、発行スケジュールを守ることができます。
校正のポイント
- 事実確認(人名・部署名・数値)
- 社内ルールに合った表現か
- 写真や引用の権利関係の確認
- 経営層・法務チェックが必要な記事の識別
オンライン校正ツールを使うと、複数人での確認作業が効率化できます。
ステップ6:発行・配信の方法を選ぶ
社内報は、紙・PDF・Web・アプリなど多様な形式で発行できます。
配信手段は、読者層の勤務環境や閲覧スタイルに合わせて選択します。
| 配信方法 | 特徴 |
|---|---|
| 紙社内報 | 手渡しや配布による安心感がある |
| PDF配布 | メール添付や共有フォルダで展開可能 |
| デジタル社内報(Web) | スマホ・PCからアクセスできる |
| 社内アプリ | プッシュ通知やログ分析が可能 |
最近は「デジタル+紙」の併用も増えています。現場には紙、オフィスにはデジタル、といった使い分けも有効です。
ステップ7:効果を測定し、改善を繰り返す
発行後は、社員アンケートや閲覧データをもとに効果を分析します。
どの記事が読まれているか、どんな反応があるかを把握し、次号の改善に活かします。
分析の観点
- アンケートで満足度・興味度を確認
- アクセスログで人気記事を特定
- コメントや投稿内容を定性的に分析
改善を続けることで、読まれる社内報に育ちます。
「発行して終わり」ではなく、次につなげる運用こそが成果を生みます。
まとめ:社内報は継続的に磨く社内資産
社内報は、1回で完成するものではなく、継続して育てていく社内資産です。
企画やデザインを改善しながら、社員とのコミュニケーションを重ねることで、社内の信頼関係や文化が育ちます。
目的をぶらさず、定期的に振り返りながら、長く読まれる媒体を目指しましょう。
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