社内報の印象を決めるのは、記事の内容だけでなく「デザインの完成度」です。
読みやすく、統一感のあるデザインは、社員の関心を引きつけ、情報を自然に伝える力を持っています。
本記事では、紙・デジタルを問わず、社内報をデザインする際に意識すべき基本とコツを解説します。
社内報デザインの目的
デザインの目的は「見た目を整えること」ではなく、「伝わる構造を作ること」です。
読み手が無理なく情報を追えるよう、視線の流れを設計し、トーンを統一することが大切です。
デザインの目的を整理すると、次の3点に集約されます。
- 情報の優先度を整理する
- 社内の雰囲気・ブランドを視覚的に表現する
- 読むモチベーションを高める
レイアウト設計の基本
社内報のレイアウトは、「情報をグループ化し、流れを作る」ことが基本です。
視線の誘導を意識して、自然に読み進められる構成を心がけます。
| デザイン要素 | ポイント | 効果 |
|---|---|---|
| グリッド | 行や列をそろえて構成する | 見た目に安定感が生まれる |
| 余白 | 情報同士の距離を保つ | 読みやすさが向上する |
| 視線誘導 | 画像や見出しで流れを作る | ストレスなく読める |
| アンカー要素 | 一貫した位置に配置する | 定番コーナーを認識しやすい |
紙面では「左右見開きの均衡」、デジタルでは「縦スクロールのテンポ」が特に重要です。
カラートーンとフォント選び
色とフォントは、社内報の雰囲気を決める大きな要素です。
社内ブランディングに沿って、トーンを一貫させましょう。
カラー設計の基本
- 企業ロゴやコーポレートカラーを基調にする
- メインカラー1色+サブカラー1〜2色で構成
- 情報区分(特集・ニュースなど)で色を使い分ける
- 背景色は白または淡色で統一感を保つ
フォント設計の基本
- 見出しは太め・本文は可読性重視
- ゴシック体:明快で現代的な印象
- 明朝体:落ち着きと信頼感を与える
- デジタルではWebフォントを使用し、端末ごとの差異を抑える
トーン&マナーを統一すると、複数人で制作しても統一感が保たれます。
写真とビジュアルの使い方
社内報では「人の顔」「現場の風景」「チームの雰囲気」を伝える写真が特に重要です。
テキストよりも印象を左右するため、以下の点を意識します。
- 自然な表情を捉える(ポーズよりも表情重視)
- 背景が整理された写真を選ぶ
- 被写体が中央に来るようトリミング
- 明るさ・彩度を一定にする
- 同一号内では写真トーンを統一する
紙媒体なら余白を活かして伸びやかに配置し、デジタルなら画像の比率とサイズを揃えることで安定感が出ます。
紙社内報とデジタル社内報のデザイン比較
| 項目 | 紙社内報 | デジタル社内報 |
|---|---|---|
| レイアウト | 固定ページ構成 | スクロール型・レスポンシブ対応 |
| 色使い | 印刷品質を考慮 | 画面映え・コントラスト重視 |
| 画像配置 | 写真を大きく扱う | テキストと連動したブロック構成 |
| ナビゲーション | ページ順に読む | 目次リンク・タグで回遊を促す |
| 読み方 | ゆっくり眺める | スマホで短時間閲覧 |
どちらにも利点があり、社内環境に合わせた最適化が必要です。
社内報デザインのチェックリスト
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 全体に統一感があるか | フォント・カラー・間隔が整っているか |
| 見出しが明確か | 各記事の内容が一目でわかるか |
| 視線の流れが自然か | 読み進めやすい配置になっているか |
| 写真のトーンがそろっているか | 明るさ・コントラストが統一されているか |
| 情報量のバランスが取れているか | 詰め込みすぎていないか |
発行前に第三者が目を通して、印象と読みやすさを確認するのも効果的です。
デザインを内製・外注する際のポイント
- 社内で内製する場合:テンプレート化とデザインルールを共有
- 外注する場合:過去号と方向性を明確に伝える
- 修正依頼は「目的ベース」で行う(例:「読みやすさを重視したい」など)
- 発行ごとにデザイン変更しすぎない
ビジュアル面の統一は、信頼される社内メディアの条件です。
一度決めたデザインルールを守ることが、長期的に見て最も効果的な改善になります。
まとめ:見た目の美しさより「伝わる設計」を
社内報デザインの本質は、美しさではなく「伝わる構造」にあります。
情報を整理し、統一感を持たせることで、読者は自然に内容へ引き込まれます。
トーンをそろえ、写真・文字・余白を意識したレイアウトに整えることが、社内報を“読む文化”として根づかせる第一歩です。
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