デジタル社内報の大きな利点は、閲覧データを通じて「読まれ方」を可視化できる点にあります。
感覚や印象に頼らず、実際の行動データをもとに改善を重ねることで、より効果的な社内コミュニケーション媒体へと育てることが可能です。
この記事では、社内報のデータ分析における基本指標と改善の具体策を紹介します。
データを活用する目的
まず、閲覧データを集める目的は「数字を出すこと」ではなく、「より読まれる記事を増やすこと」です。
定量的な指標を把握することで、どの企画が効果的か、どこに改善の余地があるかが明確になります。
主な目的
- 人気コンテンツや関心テーマを特定する
- 閲覧タイミングやデバイス傾向を把握する
- 社員が離脱しやすいポイントを見つける
- デザインや導線の改善に反映する
社内報データ分析の基本指標
閲覧ログから得られる代表的な数値を、以下の表で整理しました。
それぞれの指標がどのような意味を持ち、どう活用できるかを理解しておくことが重要です。
| 指標 | 内容 | 改善への活かし方 |
|---|---|---|
| PV(ページビュー) | 記事が閲覧された回数 | 人気コンテンツの傾向を把握する |
| UU(ユニークユーザー) | 実際に読んだ社員数 | 読者層の広がりを確認する |
| 滞在時間 | ページ内の平均閲覧時間 | 読みやすさや文章量の適正を判断 |
| 直帰率 | 記事を1ページで離脱した割合 | 導線設計や関連記事リンクを改善 |
| クリック率 | 目次やリンクから記事に進んだ割合 | サムネイル・タイトルの効果測定 |
| 投稿数・コメント数 | 社員からの反応や参加度 | エンゲージメントの指標に活用 |
この表は「社内報をどの視点で測るか」を整理した基盤となります。
分析の目的に応じて重点指標を絞ると、データを扱いやすくなります。
分析データから見える改善の方向性
データをただ見るだけでは意味がありません。
結果をどのように読み解き、次号の改善に落とし込むかがポイントです。
| データの傾向 | 想定される課題 | 改善アプローチ |
|---|---|---|
| PVが低い | タイトルが弱い・告知不足 | タイトル改善・発行告知の強化 |
| 滞在時間が短い | 内容が長すぎる・構成に起伏がない | 見出し整理・画像追加でテンポ改善 |
| 直帰率が高い | 関連リンクが少ない | 「おすすめ記事」導線を追加 |
| 特定部門の閲覧が低い | 対象外テーマが多い | 部門別に企画を分ける |
| コメントが少ない | 双方向要素が不足 | 投票・アンケート機能を追加 |
このように、データは“改善のヒント”として活用するのが基本です。
紙社内報でもできる定性データの収集
紙社内報には閲覧ログがないため、定性的な方法で読まれ方を把握します。
以下の表では、現場レベルでの反応を可視化する工夫をまとめました。
| 手法 | 内容 | メリット |
|---|---|---|
| アンケート配布 | 記事・号ごとの評価を集計 | 定量化が容易 |
| 部署ヒアリング | 編集担当が直接ヒアリング | 背景や温度感を把握できる |
| 社内掲示板投稿 | 感想・意見を自由に投稿 | 双方向性を生む |
| 編集後記で質問募集 | 「来月取り上げてほしいテーマは?」など | 読者参加型文化を醸成 |
紙社内報でも“読者の声を数字化・言語化する工夫”を加えることで、改善のサイクルを作ることが可能です。
分析結果の共有と社内フィードバック
分析したデータは、編集チーム内だけでなく社内全体にも共有することで、共感と改善意識が広がります。
共有のポイント
- 定例編集会議でデータを報告(PV・満足度・反応)
- 部門別の傾向を可視化して共有(「営業部は特集に反応が高い」など)
- 経営層にも報告し、次号企画の承認に活かす
- 社内報内で「読まれた記事ランキング」を発表する
数字を“共通言語”にすることで、社内報がより戦略的な社内メディアとして機能します。
改善サイクルを仕組み化する
最後に、閲覧データを活かす改善サイクルを簡潔に整理しておきます。
| ステップ | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 1. データ収集 | ログ・アンケート・反応を集める | 現状把握 |
| 2. 分析 | 部門別・テーマ別に傾向を確認 | 問題点を発見 |
| 3. 改善企画 | 次号のテーマ・構成に反映 | 継続的改善 |
| 4. 実行・発行 | 改善後の内容を実施 | 効果検証 |
| 5. フィードバック | 再びデータ収集へ | 改善サイクルを確立 |
この表は、社内報の「PDCA構造」を明確にするためのフレームです。
一度ループを回すだけでも、読まれる記事が増え、全体の効果が見える化します。
まとめ:データで“読まれる社内報”をつくる
感覚ではなくデータで改善することは、社内報の進化において最も確実な方法です。
どの記事が支持され、どんなテーマが読まれていないかを知ることが、発信の質を高めます。
数字と読者の声を掛け合わせながら、社内報を「継続的に成長するメディア」へと育てていきましょう。
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