サイトマップはサイトの資産価値を決める設計図
サイトマップの作成は、単にページの名前を並べる作業ではありません。準備段階で言語化したビジネスの目的を達成するために、どの情報を、どの順番で、どの深さに配置すべきかを定義する、サイトのアーキテクチャそのものです。
なんとなく必要そうだからでページを増やすのではなく、論理的な根拠に基づいたサイトマップの作り方を理解しましょう。
ステップ1:コンテンツの棚卸しと情報資産の取捨選択
まずは掲載すべき情報をすべて洗い出します。ここで重要なのは、準備編で用意したファクト(事実)に基づいていることです。
- ビジネス背景に紐づく必須情報の抽出
- ターゲットが必要とする情報のリストアップ
- 説明・ポジショニングができない不要な情報の排除
ここでの鉄則は、正しく説明できない情報はユーザーにとってもノイズとなるため、この段階で切り捨てることです。情報の量よりも、ビジネス上の根拠があるかどうかを優先します。
ステップ2:戦略的な軸に基づいたグルーピング
洗い出した情報を、ユーザーが理解しやすいカテゴリに分類します。この際、サイトの背骨となる「軸」を何に据えるかが、その後の成果を大きく左右します。
- 5つの戦略軸からメインを選択自社のビジネスモデルに合わせて、サービス軸(製品別)、課題軸(悩み別)、成果軸(目的別)、属性軸(ターゲット別)、シーン軸(場面別)の中から、サイトの柱となる軸を決定します。
- 共通認識化できる言葉(ラベリング)の定義誰が見ても中身が想像できる、曖昧さのない名前を付けます。
情報の置き場所を論理的に決めるための具体的なフレームワークについては、以下の記事で詳しく解説しています。
参考:SEOサイト構造設計の完全ガイド|5つの「軸」で決めるディレクトリ構成とURL設計
ステップ3:情報の階層化(情報の重み付け)
グループ化した情報を、トップページを頂点としたツリー構造に配置します。
- 第1階層(メインメニュー級):サイトの核となる重要情報
- 第2階層:詳細な説明やサービス紹介
- 第3階層:より専門的な情報や事例
情報の重要度を言語化し、なぜその階層なのかを論理的に決定します。深い階層になりすぎるとユーザーの到達性が下がるため、主要な情報には3クリック以内でたどり着ける構成を目指します。
検索エンジンに評価されるためのSEO的配慮
サイトマップの構造は、検索エンジンのクローラーがサイト内を巡回し、内容を理解する際のガイドになります。SEOの観点からは、以下のポイントを設計に組み込む必要があります。
- ディレクトリ構造とURL設計サイトマップの階層は、そのままディレクトリ構造(URLの階層)として反映されます。論理的に整理された階層構造は、クローラーにサイトの専門性を正しく伝え、ドメインパワーを特定のトピックに集中させる効果があります。
- リンク階層を浅く保つ重要なページほどトップページに近い階層に配置し、クローラーがたどり着きやすい構造にします。
- トピッククラスターの意識関連する情報を同じカテゴリ内に集約することで、その分野における専門性が検索エンジンに伝わりやすくなります。
サイトマップ作成における役割分担の分離例
情報の「中身」に責任を持つクライアントと、情報の「届け方」に責任を持つ制作会社の境界線を明確にします。
| 項目 | クライアントが担うこと(事実) | 制作会社が担うこと(構造) |
| 情報の優先順位 | ビジネス的にどの情報を最優先で伝えるべきかの決定。 | ターゲットが迷わないための導線設計と階層の最適化。 |
| 掲載項目の真偽 | サイトマップに含まれる項目に、不足や事実誤認がないかの確認。 | 洗い出された情報を、Webサイトとして機能する構造へ変換。 |
プロの見解:共通認識を作れない階層は作らない
サイトマップを確定させる際、最も避けるべきは「なんとなくこの辺に置いておこう」という曖昧な配置です。
- すべてのページに対し、なぜそこに存在するのかを言語化する
- ページ同士の関連性を説明できない場合は、統合するか削除を検討する
この論理的なルートの徹底が、公開後の運用しやすさと、ユーザーにとっての使いやすさを担保する防波堤となります。正しく説明・ポジショニングができない情報はチームに混乱をきたすだけなので、検討する必要はありません。
まとめ:正しい構造化が迷わせないサイトを作る
サイトマップが論理的に整理されていると、ユーザーはストレスなく目的にたどり着き、検索エンジンもサイトを正しく評価できます。制作会社はこれに基づき、迷いなく次のステップであるデザイン・実装に進むことができます。

