株式会社STSデジタル

ホームページ制作の相談・依頼前に必要な準備|失敗を防ぐ「要件定義」と情報整理術

ホームページ制作の相談・依頼前に必要な準備|失敗を防ぐ「要件定義」と情報整理術

ホームページ制作を成功させられるかどうかは、制作会社に問い合わせる前の準備で9割決まります。

多くの担当者が「何をどこまで伝えればいいのか」と悩みますが、実は重要なのは資料の量ではありません。自社の意図が正しく言語化されているかという点に尽きます。準備不足のまま相談を始めてしまうと、見積りの大幅なブレや、公開後のミスマッチを招く原因となります。

まずは、相談前に最低限整理しておくべき項目を一覧で確認しましょう。


相談前に準備しておくべき項目一覧

カテゴリ準備する項目準備する目的・理由
ビジネス背景目的・ターゲット・KPI制作会社が戦略的な提案を行うための判断材料にするため
サイト規模想定されるページ構成サイト全体の設計(アーキテクチャ)と見積り算出のため
システム要件更新性(CMS)・セキュリティ運用体制に合わせた技術選定とインフラ設計のため
サイト機能必要な機能・品質(非機能)開発範囲を明確にし、実装の抜け漏れを防ぐため
運用ルール役割分担・連絡ルール責任範囲を明確にし、プロジェクトの停滞を防ぐため

ホームページ制作の相談前に準備すべき「ビジネスの背景」

制作会社が提案の方向性を決めるための判断材料です。ここが固まっていることで、単なるデザインの提案ではなく、ビジネスに貢献する戦略的な提案を引き出すことができます。

  • プロジェクトの目的と解決したい課題なぜ今、サイトを作る(あるいはリニューアルする)必要があるのでしょうか。現状、何が問題になっていて、それをどう変えたいのかを整理します。
  • ターゲットとペルソナ顧客は誰で、その人はどんな悩みを持ってサイトに訪れるのかを明確にします。ここが曖昧だと、デザインもコンテンツ構成も決まりません。
  • 達成したいKPI(目標数値)お問い合わせ数、採用エントリー数、資料請求率など、プロジェクトの成功を客観的に測るための指標を定めます。

サイトの規模と設計を左右する「テクニカル要件」

ビジネス背景と同等に重要なのが、技術的な前提条件とサイトの規模感です。これらはサイト全体の設計(アーキテクチャ)の根幹に関わります。

  • 想定されるページ構成(サイトボリューム)
    具体的な技術要件がまだ固まっていなくても、「どんなメニューが必要で、全部で何ページくらいになりそうか」の目安は準備しておきましょう。ページ数は情報の階層構造やナビゲーション設計、そして見積金額に直結する重要な要素です。
  • 更新性(CMS・運用体制)
    どの頻度で、どの範囲を、社内の誰が更新する予定でしょうか。これにより、選定するシステムや管理画面の設計が大きく変わります。
  • セキュリティとインフラ個人情報の取り扱いの有無、利用するサーバーやドメインの指定など。
    既存の顧客管理システム(CRM)等との連携が必要な場合も、設計に大きな影響を与えるため併記が必要です。

制作会社への伝達をスムーズにする「要件」のまとめ方

どんなサイトにしたいかを「機能面」と「品質面」に分けて整理しておくと、提案の精度が飛躍的に上がります。

機能要件(サイトで「できること」)

  • お問い合わせフォーム、資料請求機能
  • お知らせ、ブログなどの投稿・更新機能
  • サイト内検索やカテゴリー絞り込み機能
  • SNS連携、予約機能、決済機能など

非機能要件(サイトの「品質・性能」)

  • 信頼性と保守性:アクセス集中への耐性や、公開後のメンテナンスのしやすさ。
  • 表示パフォーマンス:ユーザー体験を損なわないための表示速度への要求。
  • アクセシビリティ:スマートフォンを含む各デバイスでの閲覧最適化(レスポンシブ対応)。

共通認識を作るための「言語化」の鉄則

ホームページ制作において、最もプロジェクトを停滞させるのは「説明できない曖昧な情報」です。

なんとなくかっこいい、他社がやっているから、といった感覚的な情報は、チーム内に誤解を生み、大きな混乱をきたします。相談をスムーズに進めるためには、正しく言語化し、共通認識化しておくことが不可欠です。

  • なぜそれが必要か、を論理的に説明する流行っているから、ではなく、ターゲットの利便性を高めるため、あるいは運用コストを抑えるため、といった明確な根拠を持たせます。
  • 説明できない情報は、一旦「検討外」とする正しく言語化できず、ポジショニングができない情報は、現時点では「まだ議論の段階ではない」と判断しましょう。この線引きが、プロジェクトを迷走させないための防波堤となります。

役割分担の明確化:相談時から意識すべき責任範囲

制作会社と対等なパートナーシップを築くために、役割の分離例を理解しておきましょう。責任範囲が明確であれば、トラブルを未然に防げます。

項目クライアントが担うこと(情報の出所)制作会社が担うこと(変換・実装)
戦略と要件ビジネス目的の定義、想定ページ数やテクニカル要件の提示。要件を実現するための最適なサイトアーキテクチャの設計。
情報の正確性サービス内容、実績、専門的なファクトの真偽確認。提供された情報を、Webで読みやすい情報構造(IA)に整える編集。
品質の承認検収基準(何をもって完成とするか)の策定と最終承認。要件定義に基づいた品質の担保と、バグのない正確な実装。

質の高い提案を引き出す「コミュニケーション・ルール」

相談・制作の過程で、議論を建設的に進めるためのルールです。これを事前に合意しておくことで、無駄な手戻りを防げます。

  • フィードバックは「好き嫌い」ではなく「要件」で語る。
    このデザインは嫌いだ、ではなく、当初の要件である「信頼感」をターゲットに与えるには、別の表現が良いのではないか、と伝えます。
  • 判断の軸を固定する個人の好みとビジネス上の判断を明確に分け、常に「ターゲットにとっての最適解は何か」という視点で選択する姿勢を共有します。

まとめ:正しい準備が「精度の高い提案」を呼ぶ

ホームページ制作の相談準備とは、単に情報を揃えることではなく、自社の意図と必要な規模・技術水準を言語化することです。

ビジネス背景から想定ページ数、テクニカルな前提まで、論理的に整理された状態で相談を始めることで、制作会社からより精度の高い、アーキテクチャから最適化された提案を引き出すことができます。