ブログ記事制作の見積もりで注意すべきポイント
ブログ記事の制作費は、「1文字◯円」「1記事いくら」といった形で示されることが多いものの、実際にはその裏側に、構成・リサーチ・リライト・SEO調整・CMS入稿など、多くの工程が隠れています。
見積書の内訳をきちんと確認しないまま進めてしまうと、
- 思ったほど記事の品質が上がらない
- 追加費用が次々に発生して、結局高くつく
といった失敗につながりがちです。
このページでは、ブログ記事制作の費用構成と、見積もりで起こりがちな抜け漏れ・トラブル事例、そして事前にチェックしておきたい確認項目を整理します。
基本的なブログ記事の外注費用・料金相場記事も参考にしてください。

ブログ記事制作の見積もり構成と基本的な内訳
SEOやコンテンツマーケティングを前提にしたブログ記事では、制作費は次のような複数の工程に分かれていることが一般的です。
| 項目 | 内容 | 相場の目安(1記事あたり) |
|---|---|---|
| キーワード選定・構成案作成 | 検索意図の分析、見出し設計 | 5,000〜8,000円 |
| 執筆費 | 約2,000文字〜3,000文字の記事制作 | 10,000〜20,000円 |
| 校正・編集費 | 内容チェック、文体統一 | 2,000〜5,000円 |
| SEO調整費 | タイトル・メタ情報・内部リンク設定 | 2,000〜4,000円 |
| CMS入稿費 | WordPress投稿、体裁調整 | 2,000〜5,000円 |
見積書にこれらの項目がすべて含まれているとは限りません。
「どこまでが料金に含まれていて、どこからが別料金なのか」を明確にしないと、追加作業や認識の齟齬が発生しやすくなります。
ブログ記事の見積もりで起こりがちな失敗パターン
ここからは、実際によくある見積もり上の失敗パターンを「原因」と「防ぐためのポイント」とあわせて整理します。
SEO要件が含まれていなかった
よくある状況
- 「ブログ記事制作一式」とだけ書かれていて、実はキーワード選定・見出し設計・タイトル最適化が含まれていなかった。
- 納品された記事は読めるが、検索順位が上がらない。
原因
- 見積書に「SEO構成」「想定キーワード」の項目がない
- 誰がSEOを担当するか決めないまま進めている
防ぐためのポイント
- 「SEO構成(キーワード・見出し)の作成者」をはっきりさせる
- 見積もり段階で、
- キーワード選定
- 見出し案作成
- タイトル・ディスクリプション設定が含まれるかどうかを書面で確認する
リライト・修正対応が別料金だった
よくある状況
- 1本あたりの料金は安かったが、初稿のズレが大きく、修正のたびに追加費用が発生してしまう。
- 結果的に「安いと思っていた単価」が高くついてしまう。
原因
- 「修正回数」「大幅な方向転換時の扱い」が契約に書かれていない
- 初稿をもとにしたリライトを、そもそも想定していない料金設計
防ぐためのポイント
- 見積書・契約書に、
- 無料修正回数
- 大幅修正時の追加料金の考え方を明記してもらう
- 継続発注の場合は、最初の数本をテスト案件として扱うことも検討する
校正やCMS入稿が含まれていなかった
よくある状況
- 「原稿を納品して終わり」という前提だったため、誤字脱字チェックやWordPress入稿などをすべて社内で対応する必要が出てきた。
原因
- 「校正・編集」「CMS入稿」が見積もりの範囲に含まれていなかった
- どの状態まで整えた原稿をゴールとするのか、すり合わせていない
防ぐためのポイント
- 「納品物の状態」を事前に決めておく
- Wordファイル/Googleドキュメント/CMS下書き など
- 校正・編集・入稿の有無と、その費用を必ず確認する
構成案の作成者が曖昧だった
よくある状況
- 「構成案はある程度お任せで」と依頼した結果、想定と違う切り口やトーンの記事が上がってきてしまう。
原因
- 「構成案を誰がどこまで作るか」が決まっていない
- 構成作成工数が見積もりに含まれていない
防ぐためのポイント
- 「構成案をクライアント側で用意するのか、制作側で作るのか」を明確にする
- 制作側に任せる場合は、構成作成費が見積もりに含まれているか確認する
- 可能であれば、最初の1〜2本は構成案だけを先に共有し、すり合わせの精度を高める
納品形式の齟齬で再作業が発生した
よくある状況
- 「Wordで納品してもらえればOK」と思っていたが、実際にはCMS入稿+装飾込みが必要だった。
- Googleドキュメントでのコメントチェックを想定していたのに、そうなっておらず再対応になった。
原因
- 納品形式・レビュー方法・ファイル形式について、事前に合意していない
防ぐためのポイント
- 制作側にも「対応可能な納品形式」を確認しておく
- 見積もり依頼時に、納品形式(Word / Googleドキュメント / CMS下書き)
- レビューの手順(コメントで修正指示か、直接修正か)をセットで伝える
ブログ記事制作の見積もり例(約2,500文字)
以下は、ブログ記事制作1本(約2,500文字)を想定した見積もり例です。
| 項目 | 内容 | 金額(税抜) |
|---|---|---|
| キーワード選定・構成案作成 | 検索意図の分析・構成作成 | 6,000円 |
| 執筆費 | 約2,500文字の記事執筆 | 12,000円 |
| 校正・編集費 | 誤字脱字チェック、スタイル統一 | 3,000円 |
| SEO調整費 | タイトル・メタ情報の最適化 | 2,000円 |
| CMS入稿費 | WordPress投稿作業 | 3,000円 |
| 合計 | 26,000円 |
同じ「1記事26,000円」でも、これらの工程を分けて示すことで、コスト構造が明確になり、どこに品質差が生まれるかを把握できます。
トラブルを防ぐための見積もりチェックリスト
見積もりを依頼する際は、次の内容を事前にチェックしておきましょう。
- 構成案・SEO調整を誰が担当するか
- 修正対応・リライト費用の扱いが明示されているか
- 校正・入稿が料金に含まれているか
- 納品形式(Word、CMS、Googleドキュメントなど)が一致しているか
- 納期・検収スケジュールの取り決めがあるか
- 継続依頼時の単価・ボリュームディスカウント条件が決まっているか
まとめ:金額だけでなく「内訳と役割」を揃えることが大切
ブログ記事の見積もりで失敗しないために重要なのは、「金額そのもの」よりも「どの工程を誰が担うか」を明確にすることです。
SEOを意識したブログ運用では、構成・SEO調整・校正・入稿など、どれか一つが抜けるだけでも成果に影響が出ます。
発注前に見積書の内訳と業務範囲を細かく確認し、「期待しているゴール」と「依頼内容」がきちんと揃っているかどうかをチェックすることで、無駄なトラブルや追加コストを大きく減らすことができます。


