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【EFOの教科書】入力フォーム最適化で「カゴ落ち」を防ぐ12の鉄則|基本からLP特化の改善テクニックまで

【EFOの教科書】入力フォーム最適化で 「カゴ落ち」を防ぐ12の鉄則 基本からLP特化の改善テクニックまで

「広告でアクセスは集まっているのに、最後の申し込みが増えない」 「フォームの入力画面まで到達しているのに、70%以上のユーザーが離脱している」

Webマーケティングにおいて、最も悔しいのがこの「フォームでの離脱(カゴ落ち)」です。 一般的に、Webフォームの平均的な離脱率は約70%と言われています。つまり、せっかく興味を持ってくれたユーザーの10人に7人が、入力の面倒さや分かりにくさに心が折れて、申し込みを諦めているのです。

この「穴」を塞がない限り、どれだけ広告費をかけて集客しても、成果は最大化されません。逆に言えば、フォームを改善するだけで、コストをかけずに売上を1.5倍、2倍に伸ばすことも可能です。

本記事では、ユーザーにストレスを与えないためのEFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)の鉄則を、機能面、デザイン面、そしてLP特化の視点から網羅的に解説します。


EFOの基本「3つのストレス」を排除する

ユーザーがフォーム入力を途中でやめてしまう理由は、大きく分けて3つのストレスに集約されます。EFOの施策はすべて、これらのストレスを取り除くために行います。

  1. 入力の手間(面倒くさい):項目が多い、何度も同じことを入力させる。
  2. エラーのストレス(進めない):どこが間違っているかわからない、全部消えてやり直しになる。
  3. 心理的な不安(怖い):個人情報の取り扱いや、勝手に課金されないか不安。

これらを解消するための具体的なテクニックを「機能(システム)」と「デザイン(見た目)」に分けて解説します。


【機能・システム編】入力を楽にする技術的EFO

エンジニアと協力し、システム的な補助機能を入れることで、ユーザーの作業負担を劇的に減らすことができます。

1. 住所自動入力の実装

もはや必須の機能です。郵便番号を入力した時点で、都道府県から町名までが自動で入力されるように設定します。スマホユーザーにとって、長い住所を手打ちするのは大きなストレスです。これがないだけで離脱の原因になります。

2. リアルタイムバリデーション(エラー表示)

すべて入力し終えて「送信ボタン」を押した後に、「◯◯が間違っています」とエラーが返ってくると、ユーザーのモチベーションは一気に下がります。 メールアドレスの形式が違う、必須項目が空欄である、といった判定は、入力した瞬間にリアルタイムで行い、その場ですぐに修正を促すのが正解です。

3. キーボードの最適化(スマホ対策)

スマートフォンのキーボード設定は適切でしょうか? 「電話番号」の入力欄をタップしたのに、「日本語キーボード」が表示されると、ユーザーはわざわざ数字キーに切り替えなければなりません。 電話番号欄なら数字キーパッド、メールアドレス欄なら英字キーボードが自動で立ち上がるように、HTMLタグ(type=”tel” や type=”email”)を指定しましょう。

4. フリガナの自動入力

氏名(漢字)を入力したら、フリガナ欄にも自動的にカナが入力されるスクリプトを導入します。地味な機能ですが、入力の手間が半分になるため、ユーザー満足度は確実に上がります。


【デザイン・構成編】迷わせない見た目のEFO

次は、デザイナーやディレクターが意識すべき、見た目や構成の改善ポイントです。

5. 必須項目と任意項目の明確化

そもそも、入力項目は少なければ少ないほどCVR(コンバージョン率)は上がります。「あったら便利」程度の任意項目は思い切って削除するのが最強のEFOです。 どうしても残す場合は、「必須」マークを目立つ色で表示し、「任意」項目と明確に区別させましょう。

6. プレースホルダーとラベルの使い分け

入力欄の中に薄い文字で例を表示する「プレースホルダー(例:yamada@example.com)」は便利ですが、入力を始めると消えてしまうため、ユーザーは何を入力すべきか忘れてしまうことがあります。 項目名(ラベル)は必ず入力欄の外に表示し、プレースホルダーはあくまで「入力例」として補助的に使いましょう。

7. ステップバー(進捗)の設置

入力画面、確認画面、完了画面というフローがある場合、現在地を示す「ステップバー」をページ上部に設置します。「あとどれくらいで終わるのか」が見えるだけで、ユーザーは安心して入力を続けられます。

8. 送信ボタンのマイクロコピー

ボタンの文言を単なる「送信」や「確認」にしていませんか? 「無料で資料を受け取る」「会員登録を完了する」など、その後のメリットや完了を意味する具体的な言葉に変更することで、クリック率を高めることができます。


【LP特化】ランディングページならではのEFO鉄則

一般的な会員登録フォームやECサイトとは異なり、衝動的な購入やリード獲得を目的とする「ランディングページ(LP)」には、独自のEFOセオリーがあります。

9. ページ遷移させない「一体型フォーム」

LPにおいて、ボタンを押して「別ページのフォーム」へ飛ばすのは悪手です。ページ遷移の読み込み時間や、デザインが変わることによる違和感で離脱が発生します。 LPの構成では、ページの最下部(フッター直前)にフォームを直接埋め込み、その場で入力を完結させる「一体型フォーム」が基本です。

10. 「オファー」をフォームの横で見せ続ける

PC表示の場合、画面の左側に入力フォーム、右側に「今なら送料無料」「特典プレゼント中」といったオファー(メリット)を表示し続けるレイアウトが有効です。 入力作業は面倒なものですが、目の前に「入力することで得られる対価(メリット)」が見えていると、ユーザーはモチベーションを維持できます。

11. チャットボット(会話型フォーム)の活用

LPを訪れるユーザーの中には、能動的にフォームを入力するほど熱量が高くない人もいます。 そうした場合、一般的なフォームではなく、チャットボット形式で「会話をするように」情報を入力させる手法が有効です。「診断コンテンツ」のような形式にすることで、入力のハードルを下げ、楽しみながらコンバージョンへ誘導できます。

12. 離脱防止ポップアップの活用

フォーム入力中にタブを閉じようとしたり、戻るボタンを押そうとしたりした瞬間に、「まだ入力は完了していません。今ページを離れると特典が無効になります」といったポップアップを表示し、思いとどまらせる施策もLPでは一般的かつ効果的です。


EFOツールの活用と選び方

これらすべてを自社開発で実装するのが難しい場合は、EFOツールの導入を検討しましょう。

  • フォーム作成ツール GoogleフォームやHubSpotなど、最初からEFO施策済みのフォームを簡単に作れるツールです。デザインの自由度は低いですが、導入は簡単です。
  • EFO特化型ツール 既存のフォームにタグを埋め込むだけで、住所自動入力やフリガナ自動入力、リアルタイムエラー表示などの機能を後付けできるツールです。また、「どの項目でユーザーが離脱したか」を分析するレポート機能がついているものが多く、ボトルネックの特定に役立ちます。

まとめ

EFO(入力フォーム最適化)は、広告費を追加することなく、Webサイトの成果を底上げできる最もコストパフォーマンスの良い施策です。

まずは自社のフォームをスマートフォン実機で操作し、「入力しづらい」「面倒だ」と感じる部分がないかチェックすることから始めましょう。 特にLPにおいては、フォームは単なる事務手続きの場所ではなく、クロージングの場です。ユーザーの熱量を冷まさないよう、徹底的なストレスフリー化を目指してください。

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