「証券会社で口座開設したいがどれが良いのか分からない」と悩んでいる方へ。
この記事では国内証券会社の大手である「SBI証券」と「楽天証券」のメリット・デメリットを紹介します。
両社を比較しながら解説するので、記事を読めば誰でも「SBI証券と楽天証券の使い分けのポイント」を理解できるようになります。
SBI証券は言わずと知れた口座開設数No.1を誇るトップクラスの証券会社です。
楽天証券は口座開設数こそSBI証券に劣るものの、充実したポイント還元やポイントによる幅広い投資が可能な証券会社です。
両社の特徴を詳しく解説するので、どの口座にするか悩んでいる方は必見です。
記事を読み終える頃には自分に合う証券会社を見つけられるでしょう。
証券会社で口座開設を検討している場合は、ぜひこの記事をご活用ください。
- 1:【全14項目】SBI証券と楽天証券を徹底比較
- 1-1:口座開設数|どちらも業界トップクラス
- 1-2:取扱商品数|外国株式を中心に投資したいならSBI証券がおすすめ
- 1-3:クレカ積立|年会費無料なら楽天証券、有料でも良いならSBI証券がおすすめ
- 1-4:NISA・つみたてNISA|IPO銘柄を狙うならSBI証券がおすすめ
- 1-5:iDeCo(確定拠出年金)|投資信託数の多いSBI証券がおすすめ
- 1-6:取引手数料|1日の取引料が100万円を超えるならSBI証券がお得
- 1-7:信用取引|どちらも手数料は同額
- 1-8:ポイント投資|ポイント投資するなら楽天証券がおすすめ
- 1-9:ロボアドバイザー|手数料を抑えたいなら楽天証券がお得
- 1-10:ポイント制度|無料なら楽天証券、有料ならSBI証券がおすすめ
- 1-11:キャンペーン|お得に始めたいなら楽天証券がおすすめ
- 1-12:少数株取引|特徴を一言
- 1-13:取引アプリ・ツール|特徴を一言
- 1-14:IPO|特徴を一言
- 2:SBI証券のメリット
- 3:楽天証券のメリット
- 4:SBI証券のデメリット
- 5:楽天証券のデメリット
- 6:よくある質問
- 7:まとめ
1:【全14項目】SBI証券と楽天証券を徹底比較
早速ですがSBI証券と楽天証券を比較していきましょう。
2つの証券会社を項目別に比較しながら徹底的に解説します。
比較する項目は以下の14項目です。
1-1:口座開設数|どちらも業界トップクラス
証券会社 | SBI証券(SBIグループ) | 楽天証券 |
口座開設数 | 1,000万超 | 900万超 |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
上記の通り、口座開設数ではSBI証券が楽天証券を上回っています。
証券会社単体であれば楽天証券の方が多い可能性はありますが、SBIグループ全体(SBI証券、SBIネオトレード証券、SBIネオモバイル証券、FOLIO)では1,000万を超えるSBI証券がNo.1です。
しかし、楽天証券もSBI証券に続く業界二番手の口座開設数となっており、新規口座開設数に関しては4年連続(※)でNo.1を記録しています。(※2018年、2019年、2021年、2022年)
SBI証券(SBIグループ)・楽天証券ともネット証券業界では断トツの口座開設数のため、大きな差はありません。
「何から投資を始めればいいのか迷っている人」はひとまずどちらで口座開設しても問題ないでしょう。
1-2:取扱商品数|外国株式を中心に投資したいならSBI証券がおすすめ
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 |
国内株 | 東京証券取引所 名古屋証券取引所 福岡証券取引所 札幌証券取引所 | 東京証券取引所 名古屋証券取引所 |
外国株 | 9ヵ国 | 6ヵ国 |
投資信託 | 2,695本 | 2,625本 |
FX | 全28通貨ペア | 全28通貨ペア |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
上記から見てもわかるように、取扱商品数は両社ともほぼ変わりません。
主要商品は両社ともほぼすべて揃っているため、どちらを選択しても大差はないでしょう。
強いていえば、SBI証券の方が外国株式を取り扱っている国の数は多いですが、人気商品である米国株であれば楽天証券でも購入できます。
「外国株式を中心に投資したい人」にはSBI証券を、特にこだわりなければ楽天証券をおすすめします。
1-3:クレカ積立|年会費無料なら楽天証券、有料でも良いならSBI証券がおすすめ
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 |
カード | ①三井住友カード(NL) ②三井住友カード ゴールド(NL) | 楽天カード |
年会費 | ①永年無料 ②条件達成で永年無料 | 永年無料 |
クレカ積立ポイント付与率 | ①0.5% ②1.0% | 0.5% or 0.75% or 1.0% |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
クレジットカード決済による積立はSBI証券の場合、カードのグレードによりポイントの付与率が異なります。
上記の通り、年会費が永年無料の三井住友カード(NL)は0.5%となっており、有料の三井住友カード ゴールド(NL)は.1.0%です。
楽天証券では楽天カードのグレードでポイント付与率は変わらず、銘柄毎に付与率が決められています。
0.5%、0.75%、1.0%の3種類の付与率が設定されており、年会費が永年無料の楽天カードでも1.0%のポイントを受け取ることが可能です。
「年会費は絶対に無料が良い人」は楽天証券がおすすめですが、「年会費は有料でも良いのでとにかく高ポイント還元を狙いたい人」はSBI証券がお得でしょう。
1-4:NISA・つみたてNISA|IPO銘柄を狙うならSBI証券がおすすめ
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 | |
取引手数料 | 国内株式 | 買付・売却無料 | 買付・売却無料 |
投資信託 | 買付・売却無料 | 買付無料 | |
取扱商品 | 国内株式 | 取扱有り | 取扱有り |
外国株式 | 取扱有り | 取扱有り | |
投資信託 | 取扱有り | 取扱有り | |
IPO | 取扱有り | 取扱無し | |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
NISA・つみたてNISAに関しては投資信託の取扱手数料に両社で違いがあります。
SBI証券は買付・売却ともに手数料が無料なのに対し、楽天証券は売却手数料が発生します。
またその他に大きな違いといえばIPO銘柄の取り扱いに関してでしょう。
IPOとは未上場会社の株式(未公開株)を株式市場に公開し、不特定多数の投資家に向けて株式を売り出す方法です。
発行された株式を購入したあとで、対象の会社が上場すると株価の上昇が期待できるため利益が見込めます。
楽天証券ではIPO銘柄を取り扱っていない為、「IPO銘柄を購入したい人」はSBI証券を選択してください。
1-5:iDeCo(確定拠出年金)|投資信託数の多いSBI証券がおすすめ
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 |
運営管理手数料 | 171円 | 171円 |
投資信託数 | インデックスファンド:54本アクティブファンド:30本 | インデックスファンド:14本アクティブファンド:17本 |
定期預金商品数 | 1本 | 1本 |
保険商品数 | 3本 | 0本 |
コモディティ | 2本 | 1本 |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
iDeCo(確定拠出年金)に関しては取り扱う投資信託の数でSBI証券に軍配が上がります。
また扱う銘柄も楽天証券よりもSBI証券が低コスト(信託報酬が安い)の商品を多く取り揃えています。
さらに口座開設数においても楽天証券の約67万(2022年12月)に対し、SBI証券が約80万(2023年4月時点)と上回っています。
上記の結果から投資信託数が多く、低コストのSBI証券がおすすめでしょう。
1-6:取引手数料|1日の取引料が100万円を超えるならSBI証券がお得
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 | |
取引手数料(1約定ごと) | 10万円 | 99円 | 99円 |
50万円 | 275円 | 275円 | |
100万円 | 535円 | 535円 | |
150万円 | 640円 | 640円 | |
取引手数料(1日の約定合計金額) | ~100万円 | 0円 | 0円 |
~200万円 | 1,238円 | 2,200円 | |
~300万円 | 1,691円 | 3,300円 | |
以降100万円ごと | +295円 | +1,100円 | |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
上記から見てもわかるように信用取引に関してはSBI証券と楽天証券に違いはなく、どちらも一定の手数料が発生し、手数料が発生する項目も割合も全く同じです。
そもそも信用取引とは投資家が一定の保証金を証券会社に預け、証券会社から資金または株式等を借りることで預けた保証金以上の金額で取引することを指します。
信用取引は「制度信用取引」と「一般信用取引」の2つに分類されます。
制度信用取引は投資家・証券会社・証券金融会社の3者で資金や株式を貸借するのに対し、一般信用取引は投資家・証券会社の2者でやり取りします。
また、制度信用取引では東証および名証の上場銘柄の中から取引所が選定した銘柄を取り扱うのに対し、一般信用取引では証券会社が選定した銘柄を取り扱っており、その中には制度信用取引では売買できない銘柄も含まれています。
信用取引はSBI証券・楽天証券のどちらも選んでも差はありません。
1-7:信用取引|どちらも手数料は同額
証券会社 | 【制度信用取引】SBI証券・楽天証券 | |
制度信用取引 | 買建 | 売建 |
金利(年率) | 2.80% 優遇金利:2.28% | – |
貸株料 | – | 1.10% |
事務管理費 | 1株あたり11銭 ※100円に満たない場合は110円、1,000円を超える場合は1,100円(いずれも税込) | |
名義書換料 | 1売買単位あたり55円 | – |
配当相当額 | 受取 | 支払 |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
証券会社 | 【一般信用取引】SBI証券・楽天証券 | |||||
一般信用取引 | 無制限 | 短期 | 1日 | |||
買建 | 売建 | – | 売建 | 買建 | 売建 | |
金利(年率) | 2.80% 優遇金利:2.28% | – | – | – | 0.00% | – |
貸株料 | – | 1.10% | – | 3.90% | – | 0.00% |
事務管理費 | 1株あたり11銭 ※100円に満たない場合は110円、1,000円を超える場合は1,100円(いずれも税込) | |||||
名義書換料 | 1売買単位 あたり55円 | – | – | – | 1売買単位 あたり55円 | – |
配当相当額 | 受取 | 支払 | – | 支払 | 受取 | 支払 |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
信用取引は「制度信用取引」と「一般信用取引」の2つに分類されます。
上記から見てもわかるようにSBI証券と楽天証券に違いはなく、どちらも一定の手数料が発生します。
手数料が発生する項目も手数料の割合も全く同じです。
信用取引に関してはSBI証券・楽天証券のどちらも選んでも差はありません。
1-8:ポイント投資|ポイント投資するなら楽天証券がおすすめ
SBI証券・楽天証券のどちらもポイントを投資に回すことが可能です。
SBI証券の場合はTポイントやdポイントのほか、Vポイント(三井住友カードで取得可)も投資に使用できますが、購入できる商品は投資信託のみとなっており株式などには使用できません。
対して楽天証券の場合は投資に使用できるのは楽天ポイントのみですが、投資信託はもちろん、国内株式や米国株式にも利用できる点がメリットです。
「幅広い投資にポイントを活用したい人」には楽天証券がおすすめと言えるでしょう。
1-9:ロボアドバイザー|手数料を抑えたいなら楽天証券がお得
ロボアドバイザーに関してもSBI証券・楽天証券どちらも利用することが可能です。
ロボアドバイザーとは投資目的に応じた商品を提案してくれたり、自分の投資スタイルに応じて自動運用してくれるサービスです。
楽天証券の場合、投資の対象や金額、タイミングを設定するだけで自動的に資産運用してくれる「楽ラップ」が利用できます。
この楽ラップには株価が急落したときにDRC機能(下落ショック軽減機能)が働き、債券の配分を増やす措置が自動的に行われるメリットがあります。
SBI証券も、AIによる自動資産運用のロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」を利用できます。
こちらも2020年1月から2023年1月末までの運用成績が+43%を超えるなど、高いパフォーマンスを記録しています。
各ロボアドバイザーの手数料はそれぞれ以下の通りです。
【楽ラップ】
・固定報酬型(残高×0.715%)
・成功報酬併用型(残高×0.605%+運用益×5.5%)
【WealthNavi】
・固定報酬型(残高×1%(預かり金が3,000万円以上なら0.5%))
上記の内容から「手数料を抑えたい人」には楽天証券がおすすめと言えるでしょう。
1-10:ポイント制度|無料なら楽天証券、有料ならSBI証券がおすすめ
ポイント制度に関しては状況に応じてSBI証券と楽天証券のどちらがお得かが変わります。
例えば年会費無料のカードで比較した場合、楽天証券がお得です。
その理由は、同じく年会費無料の三井住友カード(NL)のポイント付与率が0.5%なのに対し、楽天カードは1.0%だからです。
ただし1.0%なのは、代行手数料が年率0.4%以上の商品を購入した場合に限ります。
しかしSBI証券の三井住友カードゴールドNL(年会費有料)の場合、すべての商品に対して1.0%のポイントが還元されます。
例えばSBI証券と楽天証券でそれぞれ毎月5万円をクレカ積立した場合に、1年間に貯まるポイントを試算してみましょう。
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 | ||
カード名称 (年会費有料/無料) | 三井住友カードNL (年会費無料) | 三井住友カードゴールドNL (年会費有料) | 楽天カード (年会費無料) | 楽天ゴールドカード (年会費有料) |
ポイント付与率 (代行手数料年率0.4%以上) | 0.5% | 1.0% | 1.0% | 1.0% |
ポイント付与率 (代行手数料年率0.4%未満) | 0.5% | 1.0% | 0.5% | 0.5% |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
上記の結果からポイント制度に関しては「年会費が無料のカードを利用する人」は楽天証券が、「年会費が有料のカードを利用する人」はSBI証券がそれぞれおすすめと言えるでしょう。
1-11:キャンペーン|お得に始めたいなら楽天証券がおすすめ
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 |
口座開設時キャンペーン | あり | あり |
口座開設時にもらえるもの | 手数料キャッシュバック | 手数料キャッシュバック 楽天ポイント |
口座開設後キャンペーン | あり | あり |
口座開設後にもらえるもの | 現金 ポイント Amazonギフト券 | 手数料キャッシュバック 楽天ポイント |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
キャンペーンに関してはSBI証券・楽天証券どちらも実施していますが、内容に違いがあります。
どちらもキャンペーン自体は口座の開設時と開設後に実施していますが、もらえるものがそれぞれ決められています。
楽天証券が開設時と開設後のどちらもポイント・手数料キャッシュバックを実施しているのに対し、SBI証券だとポイントは開設後のみで手数料キャッシュバックは開設時のみです。
「開設時にもポイントをもらいたい人」は楽天証券がおすすめでしょう。
1-12:少数株取引|特徴を一言
証券会社 | SBI証券(S株) | 楽天証券(かぶミニ) |
取引手数料 | 買付時:無料 売却時:0.55%(最低55円) | 買付時:無料 売却時:11円/回 ※スプレッド 0.22% |
約定タイミング | 1日3回 | リアルタイム約定 |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
少数株の取引はSBI証券・楽天証券どちらも実施していますが、取引手数料や約定の面から楽天証券がお得と言えるでしょう。
楽天証券(かぶミニ)は業界最安水準の手数料で取引可能です。
またSBI証券では約定のタイミングが決められているのに対し、楽天証券はリアルタイム取引(※)ができます。(※2023年7月31日より546銘柄が取引対象)
楽天証券の場合、取引時間内であればその日に購入したものをその日のうちに売却することも可能です。
「目標の価格帯ですぐに買いたい人、もしくは売りたい人」には楽天証券がおすすめと言えます。
1-13:取引アプリ・ツール|特徴を一言
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 |
PCツール | HYPER SBI HYPER SBI 2 | マーケットスピード マーケットスピードⅡ マーケットスピード for Mac マーケットスピードFX |
PCツールの対応商品 | 日本株 | 日本株/米国株 先物/オプション CFD |
PCツールの特徴 | スピーディーな発注が可能 | 情報収集から発注まで1画面で完結 |
スマホ向けアプリ | SBI証券 株 アプリ SBI証券 米国株 アプリ HYPER FXアプリ HYPER 先物・オプションアプリ 取引所CFD アプリ -くりっく株365 SBI証券 先物・オプションアプリ | iSPEED iSPEED FX iSPEED 先物OP iSPEED for iPad |
スマホ向けアプリの対応商品 | 日本株/米国株 投資信託 FX 先物/オプション CFD | 日本株/米国株 FX 先物/オプション |
スマホ向けアプリの特徴 | 取引に合わせたアプリが展開 | 株式取引は1つのアプリで完結 |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
取引ツール・アプリに関しては、SBI証券と楽天証券のどちらも高品質と言えます。
対応商品の豊富さではSBI証券に分がありますが、アプリ自体の評価は楽天証券の方が高いです。
楽天証券のスマホ向けアプリ「iSPEED」は使いやすく、日本株や米国株をスムーズに取引できます。
SBI証券にも「HYPER SBI」という充実したツールがありますが有料なため、ツール・アプリともにすべて無料で使える点で楽天証券に分があります。
「アプリの使いやすさを重視する人」や「ツールやアプリを無料で使いたい人」は楽天証券がおすすめです。
1-14:IPO|特徴を一言
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 |
2022年取扱実績 | 89社 | 65社 |
2022年主幹事数 | 12社 | 0社 |
事前入金 | 必要 | 必要 |
抽選方法 | ①資金比例抽選 ②IPOチャレンジポイント | 100%完全平等抽選 |
抽選時期 | ブックビルディング期間終了後 | 購入申込期間終了後 |
キャンセルの可否 | 可能 | 不可 |
公式サイト | https://www.sbisec.co.jp/ETGate | https://www.rakuten-sec.co.jp/ |
IPOに関しては上記から見てもわかるように、取扱実績と主幹事数でSBI証券が楽天証券を圧倒しています。
SBI証券はネット証券業界でもっとも多くIPOを取り扱っており、IPOが当選しやすいと言われている主幹事数も楽天証券が0社なのに対し、SBI証券は12社です。
この点からもSBI証券がIPOに力を入れていることが伺えます。
「IPO銘柄を購入したい人」は、SBI証券が断然おすすめでしょう。
2:SBI証券のメリット
ここまでSBI証券と楽天証券の違いを項目別に比較してきましたが、ここからはSBI証券のメリットを紹介します。
SBI証券のメリットである以下3点をひとつひとつ解説していきます。
① 取引手数料が安い
投資する上で重要なポイントのひとつは手数料の安さです。
SBI証券の取引手数料は業界最安水準となっています。
SBI証券の場合、約定毎に必要な取引手数料は楽天証券と同額ですが、取引の総額が100万円を超える場合は1日定額コースを利用することで楽天証券よりも安くなります。(1日限定コースで取引の総額が100万円未満の場合は手数料は無料)
そのため「投資信託や少額投資を検討している人」には、手数料を気にすることなく投資できるのでおすすめです。
② アンダー25は国内株式現物手数料が実質0円
SBI証券では2023年9月30日から「ゼロ革命」というお得なプログラムがリリースされる予定です。
このプログラムにより25歳以下の国内株式現物手数料が0円になります。
具体的には25歳以下で、自身の資金で国内株式を購入するという条件を満たしていれば、取引金額や取引回数にかかわらず手数料がキャッシュバックされるため、実質0円ということです。
すでにSBI証券口座を持っている人はもちろん、これから口座をつくる人もプログラムの対象です。
「国内株式を積極的に購入したい人」にはSBI証券がおすすめと言えるでしょう。
③ 外国株式に強い
SBI証券は外国株取扱数や米国株式銘柄数が楽天証券よりも多いです。
取り扱う外国株は9ヶ国、米国株式の銘柄数も5,426本と業界トップクラスの数となっています。(2023年9月4日時点)
豊富な米国株を取り扱っているため、自分に合う銘柄を探せるでしょう。
「多くの銘柄から米国株を選びたい人」はSBI証券をおすすめします。
3:楽天証券のメリット
次は楽天証券のメリットを紹介します。
楽天証券もSBI証券と双璧をなすネット証券会社です。
楽天証券のメリットである以下3点をひとつひとつ解説しましょう。
① 楽天ポイントがもらえる
楽天証券の大きなメリットは何といっても楽天ポイントがもらえる点でしょう。
楽天証券では取引内容に応じて楽天ポイントが貯まる仕組みになっています。
たとえば投資信託の場合は決められた残高の初回達成時に10~500ポイントが付与され、国内株式・外国株式の場合は手数料100円ごとに1ポイントが付与されます。
また投資信託は楽天カードによるクレジット決済を使えば、楽天カード側にもポイントが付与されるので上記と合わせて二重でお得です。
貯まった楽天ポイントは楽天市場でのお買い物などに使えるので、楽天ユーザーにとっては非常におすすめと言えるでしょう。
② 初心者に使いやすいサービスを展開
楽天証券の2つ目のメリットは、投資の初心者でも使いやすいサービスが展開されている点です。
具体的には難しい投資の専門用語を極力避けた表現が使われており、初心者でも理解しやすい構成になっています。
またキャンペーンも豊富で、口座開設や新規取引などの投資をするだけでポイントが付与されるようになっており、こちらも初心者に嬉しい仕組みになっています。
2023年7月時点で口座開設数が900万に到達している点からも、初心者に人気を集めていることが伺えます。
SBI証券と比較しても、楽天証券の方がより初心者向けと言えるでしょう。
③ アプリには便利な取引ツールが満載
楽天証券の3つ目のメリットはアプリが便利で使いやすいという点です。
楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」は使いやすさに定評があります。
iSPEEDは国内株式と外国株式のどちらにも対応しているだけでなく、アプリ内からFXや投資信託などのサイトにもアクセスできます。
つまり複数のアプリをダウンロードせずとも異なるジャンルの取引が可能です。
ほかにも銘柄の検索機能も搭載されており、業者別・テーマ別・ランキング別に自分好みの銘柄を探せるので非常に魅力的と言えるでしょう。
4:SBI証券のデメリット
続いてSBI証券のデメリットを紹介します。
メリットばかりでなく、デメリットも重要ですので理解しておきましょう。
SBI証券のデメリットである以下3点をひとつひとつ解説します。
① デモ口座がない
SBI証券のデメリットの1つとしてデモ口座がない点があります。
デモ口座がないため、仮想資金を使用した取引のシミュレーションを行えません。
デモ口座があれば実際の取引をする前に投資の感覚を養うことができるので、特に初心者にとっては嬉しいサービスですがSBI証券では機能が搭載されていません。
ただし、デモ口座がない代わりに少額で取引を始めることは可能です。
投資経験が少ないうちはできる限り少額から始めて、リスクを低減しつつ投資の感覚をつかんでいきましょう。
② 国内株と外国株で対応アプリが違う
SBI証券のデメリットの2つ目は国内株と米国株を別々のアプリで取引する必要がある点です。
楽天証券が国内株と米国株を1つのアプリで対応可能なのに対し、SBI証券はそれぞれのアプリを開いて情報を閲覧し、取引する必要があります。
そのため、どうしても手間がかかると感じる人も少なくないでしょう。
ですが、国内株と米国株を分けて管理することになるため、「国内株・米国株を別々に管理したい人」にとってはメリットでもあると言えます。
③ つみたてNISAはクレカでボーナス月設定ができない
SBI証券のデメリットの3つ目は、つみたてNISAでクレカ決済を選択すると「ボーナス月設定」ができない点です。
ボーナス月設定とはボーナスが支給される月に合わせて積立額を増やす仕組みで、年に2回まで設定可能です。
クレカ決済を選択しているとボーナス月設定ができないため、つみたてNISA枠(※)を使い切りたい場合でも一時的な増額ができません。(※2023年以前:年間40万円まで 2024年以降:年間120万円まで)
どうしてもつみたてNISA枠を使い切りたい場合は、現金決済に切り替えましょう。
ただしSBI証券のつみたてNISAは現金決済とクレカ決済を併用できないため、どちらか片方を選択する必要があります。
5:楽天証券のデメリット
続いては楽天証券のデメリットを紹介します。
SBI証券と同様、メリットだけでなくデメリットも把握し、投資を有利に進めましょう。
楽天証券のデメリットである以下3点をひとつひとつ解説します。
① IPOの取り扱い銘柄数が少ない
株価の上昇を期待できることで人気のIPO株ですが、楽天証券はIPOの取り扱い銘柄数が比較的少ないです。
他のネット証券と比べても年々増加幅は大きい傾向ですが、SBI証券に比べると劣ります。(2022年時点で楽天証券は65社、SBI証券は89社)
そのため、積極的にIPO株を購入したい場合は、楽天証券よりもSBI証券が有利と言えるでしょう。
② 取り扱っている外国株のエリアが限定的
楽天証券の場合、取り扱っている外国株の銘柄が限定されます。
楽天証券が取り扱っているのは米国株、中国株、ASEAN(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)株の6カ国です。
つまり、欧州株や豪州株などのその他の株を購入する場合は、ほかの証券会社を開設する必要があります。
そのため「買いたい国の銘柄を取り扱っていない」という不満を感じる人も少なくないでしょう。
③ 投資で期間限定ポイントが使えない
楽天ポイントには通常ポイントと期間限定ポイントの2種類がありますが、期間限定ポイントは投資に使用できません。
買い物やサービスの利用で貯まる通常ポイントに対し、期間限定ポイントはキャンペーンやSPU(スーパーポイントアッププログラム)で貯まります。
通常ポイントは投資に使用できますが、期間限定ポイントは使用できないため注意が必要です。
しかし、期間限定ポイントは加盟店での買い物や楽天ペイの支払いに利用可能なため、使い道に困ることはないでしょう。
6:よくある質問
ここまでSBI証券と楽天証券の比較した内容を解説してきましたが、いくつか疑問も出てきたのではないでしょうか?
ここではSBI証券と楽天証券に関してよくある質問にお答えします。
6-1:SBI証券と楽天証券を両方やるのはどうなの?
前述の内容からもわかるように、SBI証券も楽天証券も魅力的なサービスと言えるでしょう。
そのため、どちらか一方を選べない場合は両方とも口座開設するのもおすすめです。
証券口座を複数持ち、うまく使い分けることで各証券会社のメリットを最大限に活かすこともできます。
口座開設は無料で行えるため、実際に使ってみてより使いやすい方をメイン口座として使用するのも良いでしょう。
使い分けることは実際可能
実際にSBI証券と楽天証券を使い分けることは可能です。
たとえば以下のように使い分けます。
【SBI証券】
・NISA・iDeCoを活用してメイン口座として使用
・楽天証券で取り扱いのない株式(IPO・外国株含む)を購入
【楽天証券】
・キャンペーンを利用して現金・ポイントを稼ぐサブ口座として使用
・日経新聞を無料で利用して投資の知識を習得
SBI証券も楽天証券もそれぞれのメリットがあるので、うまく使い分けることでその恩恵を最大限に受けましょう。
メイン口座
SBI証券と楽天証券のどちらをメイン口座にするかは、実際に使ってみて使いやすい方を選択すると良いでしょう。
SBI証券は取り扱っている投資商品が豊富で、NISAでも幅広い投資先から選択できます。またSBI証券は国内株式個人取引シェアでNo.1の実績を持っています。
一方の楽天証券は新規口座開設数が多く、4年連続No.1となっています。(2022年12月12日時点)
株取引を積極的に行う場合はSBI証券を、これから投資を始める場合は楽天証券をそれぞれメイン口座とするのがおすすめです。
サブ口座
メイン口座が株などの取引により利益を得るのが目的とするなら、サブ口座はポイントで稼ぐのを目的とすると良いでしょう。
SBI証券の場合、三井住友カードでクレカ積立ができます。
ポイントの還元率は通常は0.5%ですが、三井住友ゴールドカードは1.0%とお得です。
一方で楽天証券は楽天カードクレジット決済と楽天キャッシュ決済が併用できます。
つまり通常の楽天カードの場合だと0.5%、楽天キャッシュ決済だと一律0.5%になるので合計1.0%が還元されることになります。
自分にとってメリットが大きいと判断した方をサブ口座として選択しましょう。
つみたてNISAを併用することはできない
つみたてNISAは1人1口座しか開設できません。
つまりSBI証券と楽天証券の両方でつみたてNISAを併用することはできません。
投資信託の本数はSBI証券が多いですが、ポイント投資ができる点では楽天証券に分があります。
前述の比較結果から総合的に判断し、自分に最適な証券会社をつみたてNISA口座として使用しましょう。
6-2:他の証券からSBI証券や楽天証券に乗り換えることは可能?
つみたてNISAの金融機関は1年に1回変更できます。
一度選んだ金融機関をずっと使用しなければいけないわけではないので、仮に他の証券口座を使用していたとしてもSBI証券や楽天証券に乗り換えることは可能です。
1年間使ってみて自分に合わないと判断した場合は、別の金融機関に乗り換えることをおすすめします。
7:まとめ
ここまでSBI証券と楽天証券の比較した内容を解説してきました。
SBI証券の場合、メリットとデメリットは以下の通りです。
・取引手数料が安い
・アンダー25は国内株式現物手数料が実質0円
・外国株式に強い
・デモ口座がない
・国内株と外国株で対応アプリが違う
・つみたてNISAはクレカでボーナス月設定ができない
一方、楽天証券のメリットとデメリットは以下の通りです。
・楽天ポイントがもらえる
・初心者に使いやすいサービスを展開
・アプリには便利な取引ツールが満載
・IPOの取り扱い銘柄数が少ない
・取り扱っている外国株のエリアが限定的
・投資で期間限定ポイントが使えない
それぞれ特徴があるため、どちらか一方を選択できない場合は両方で口座開設するのも良いでしょう。
SBI証券と楽天証券の両方をうまく使い分けることで、双方のメリットを最大限に活かすことも可能です。
自分に最適な口座を見つけ、効果的な資産運用に取り組みましょう。
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