株式会社STSデジタル

#17 「チーム」だからできること

仕事以外で初対面の人に自己紹介をするとき、「ライターです」というと、不思議なことに「すごい」とか「かっこいい」とか言ってもらえることがあります。

「すごい」については、まあ確かにいい文章を書くとか、取材で思わぬ話を聞きだすとか、ひょっとすると“すごい”技術をもっているのかもしれませんが、「かっこいい」についてはこれっぽっちもピンときません。
(もちろん、そう言ってもらえること自体は超ありがたいのですが)

だって、基本、取材がなければPCの前から動かないし、それどころか動くのはほぼ指だけだし、ゾンビみたいな顔で原稿執筆に没頭していたら「今日は1日誰とも喋んなかったなぁ」なんてことも珍しくありません。

ほら、実態なんてそんなもん。あんまりかっこよくはないんです。
そもそもライターは黒子です。あくまで主役はインタビュイー(話し手)であり、その想いを橋渡しするのが役目の裏方ジョブです。

その証拠に、ライターは基本“ぼっち”です。

一応、僕は組織に属しており、ライターはライターチームという部署(?)みたいな編成で仕事をしています。
とはいえ、担当する原稿のクオリティは全て自己責任。ライター同士で連携を取り合うみたいなことは、原稿レベルで見ると新人指導でもない限りほとんどありません。つまり「組織にいながらも孤独」です。
(僕はそれが性に合っているのでライターをやっています)

じゃあなぜチームなんて組んでるの?
というか、個人プレーならフリーランスでやったら?

そんな疑問が湧くのも当然。何を隠そう僕自身がついこの前まで疑問に思っていました。

しかしつい先日、見事に改心。(チーム最高!ワンフォーオール!オールフォーワン!

ライターチームを抱えるSTSデジタルだからこそできる仕事が、あったんです。

   ◇

2024年7月(先月)、とある新規お取引先の代理店から連絡がありました。

話を聞けばかくかくしかじか……

急に担当者が代わって引き継いだ案件の取材が3日後に迫っているんだが、ライターもカメラマンもアサインされてなくてやばい。

ざっくり要約すると、まあこんな感じ。

おまけに取材対象は10組。
加えて、想いを丁寧に届けたり、コンテンツとして充実させるなら、60~90分くらいじっくり話を聞かせていただくことが多いんですが、多忙な先方都合で1組あたり30分程度の時間しか取れないとのこと。
準備期間も取材時間も、それに対する取材数も、イレギュラー・オブ・イレギュラーです。

そんな超急ぎで降って湧いた案件(ありがたや)にアサインされたのは、僕を含めた3名のライター。
とりあえず打ち合わせをし、各取材と原稿執筆を役割分担し、当日は連携を取りながらスムーズな進行で取材をこなし、気のいい担当者の方も交えて夜の都内某所でガッツポーズ。

もちろん、これでひと安心とはいきません。
むしろ取材が終わっても僕らの仕事はまだ半分。
過密スケジュールでの執筆マラソンが待っています。

もちろん他案件もそれぞれ抱えていますから、お互いに進捗を確認しあい、ヤバそうなときは巻き取ったり巻き取ってもらったり。
また、各ライターのトンマナなど細かいクオリティを揃えつつ、各記事の特色を最大化する原稿執筆・修正作業を進めます。

正直、思い出すだけで嫌な汗が吹き出すくらい忙しかったんですが、ワンチームで涼しい顔をしながら無事に納品まで終えました。

   ◇

ライターはある種のモノづくりである以上、多かれ少なかれ属人化を免れない仕事です。
だからこそ、個人プレーになりがちでもあります。

弊社もライターチームはだいたい個人プレーです。
しかし1人でできることには限界があるのもまた事実。
今回のような大量・短納期制作は、個人プレーの限界を突きつけるいい例と言えるでしょう。

普通なら眉をひそめ、半笑いで断られるようなご依頼も、STSデジタルなら大丈夫。

大量・短納期制作どんと来い!
断られた案件、どこにも頼みようがない案件、僕らならきっとできると思います(たぶん)。