株式会社STSデジタル

#3 今を生きるリーダーの資質について

社長の目タイトル画像

つい最近、ハッとしたことがあった。

前回も取り上げた通り、チームや役職に関係なく同じ場所、
同じ目線で仕事に取り組む株式会社STSデジタルの仲間は仲がいい。

もちろん社長であっても例外ではなく、私もその輪のなかで提案や意見を言い合い、
業務を遂行しながら社歴や経験の浅い仲間にアドバイスをする。

冗談や、ときに信頼の置ける関係性があるからこそ許されるある種『いじり』のような
コミュニケーションを取ることもあった。

こんなことは言い訳にもならないが、気安いからこそ油断していたのだろう。
最近になって社員から言われたのだ。

「谷宮さんたちの関係性知らない、入社したての人が見たら絶対パワハラだと思いますよ、それ」

私は自分の言動を顧み迂闊な自分を猛省した。

そして、私が当たり前だと思っていること、疑いもせず常識だと感じていることは
私が気づかないうちに変化していることを理解した。

私自身も変わらなければいけないと思った。

今ここが変化の分岐点

私の家は祖父の代からずっと東京に住んでいる。
父は第二次世界大戦が終わったとき小学生で、日本の高度経済成長期などを目の当たりにしてきた世代だ。

生まれてからずっと東京で育ち、東京で暮らしてきた私から見ても、
父は「ザ・東京」という江戸前な気質と都会的な洗練さを兼ね備えた人間だった。

そんな父のもとに、結婚相手を連れて挨拶に行ったときのことだ。

初対面とはいえ話しているあいだに徐々に打ち解けていった父は、妻のことを「お前」と呼んだ。
私自身、「初対面でお前はないだろ!」と隣りで聞いていて憤慨したことをよく覚えている。

昭和の価値観で考えれば、それほど目くじらを立てることではないのかもしれない。
だが、今そんなことをすれば間違いなく大問題だ。

たった四半世紀程度の時間の流れのなかで、価値観も社会もはっきりと変わった。

思えば2023年は、プロ野球や芸能界などでハラスメントや性加害の問題が数多く起きた年だった。

権力者から「特権」が剥ぎ取られてより清潔になり、
フラットな関係値のなかでの「1つの役割」へと変わったことの証明のように思う。

私も、そしておそらく社会全体も、1つの変化の岐路に立っているに違いない。

変化する価値観に淘汰されないために

こうした価値観の変化に自ら気づくのは、おそらくかなり難しい。
自分の当たり前や常識は、疑うことがないから当たり前であり、常識なのだから。

しかし幸運なことに、私の周りにはおかしいことをおかしいと指摘してくれる仲間がいた。
同じ船に乗る仲間たちに私は助けられている。

時代とともにスタンダードとされる価値観や常識は変わっている。

いや、現代社会は凄まじい速度で変化する。
そしてこれからもこの変化はさらなる速度で起きていくだろう。

乗り遅れれば老害。それ以上の成長や成果は望めず、時代の変化によって淘汰される。
去年の常識は今年の常識ではなく、昨日の当たり前はもはや今日の当たり前ではない。

その変容への感度を、組織の先頭に立つ人間は誰より鋭く研ぎ澄ませなければいけない。

私は元日、本コラムの初回で、トップ自ら動かなければ人はついてこないと書いた。

自ら変化に飛び込み、受け入れ、そして自分自身を変えていく。
そのことを今一度、自分の根幹に刻みつけたい。